石原慎太郎とは、時代を映す鏡なのか。
石原慎太郎ほど、その評価の割れる男はいないのである。それも、半世紀に渡ってその矢面に立ち、また喝采を浴び続けている男など、この国では本当に稀有な存在なのかもしれない。
日本を滅亡に導くファシストと言われるかと思えば、今の政治家には無い救世主的なリーダーシップを持つ男だと持ち上げられる。
しかし、その風の起こし方こそは彼独特の風の読み方であり、「言葉」を敢えて渦中の栗として化かしてしまう天才的な大衆扇動力を持つのだ。
史上最高得票で参議院議員にトップ当選したかと思えば、ついには政界では最後までリーダーシップを取ることさえ出来ず、そうかと思えば「念願」であった東京都知事の任にあっては空前のブームを起こしてしまう。そして、新銀行東京の事実上の破綻。風を読み違えた石原慎太郎はもう退場すべきであると、著者は書いている。
総ページ数650ページという力作は、大変にありがたかったのだが、なにせ祖父と父親の話がその1/3というのは、いくらルーツをたどるとはいえ、ちょっと読むのには辛かったなぁ。そこまでルーツは読者は期待していないので、その点は食傷気味になった。辛かった。
石原慎太郎に興味ある人は読んでみよう。