学習塾を始めるのに大切な一通りの事が書かれています。これから学習塾を開きたいという方には参考になる部分もあるのではないのでしょうか。
もっとも、すでに学習塾を始められている方が経営上の問題点を解消するために読む本としては、内容が大雑把であまり参考にならないかもしれません。その意味では、「学習塾」の「儲け方」というシリーズタイトルは問題があるような気もします。
内容上の難点は、おそらく著者の方が年配の方であるということです。書籍中には、塾専用教材の取り扱い業者のリストやオリジナルテキスト編纂の取り扱い出版社のリストがとっておき情報として出ていますが、今の時代、そのような情報は、インターネットで検索すれば、一発で出てきます。お勧め教材が、教科書ガイドや教科書ワークばかりというのも違和感を感じました。
また、内容に著者の人間的な偏狭さのようなものが感じ取れる部分があり、あまりよい気分がしませんでした。例えば、近くの商店の人が儲かっている自分の塾に偵察に来たとか、競合する塾が偵察の電話をかけてくるとか、偵察のためにゴミだし注意の警告に来た人を追い返したとか、そのようなことが得意気に書かれています。また、塾をやっている人には、何かに挫折した人も多く、世間からの尊敬を集められていないが、自分は好きでやっている等の記述も、なんだかいやーな気分にさせられました。
この本自体は、記述は薄いものの、それなりにまとめられた本だとは思います。しかし、これを読んで、個人塾経営者(すべての塾経営者がそうではないと思いますが)の視野の狭さ、人間的偏狭さを感じてしまい、塾経営に対する興味は減少しました。
蛇足ですが、このシリーズは、他の業の方が、特定の業界を勉強するための本としては、それなりに使えるかなと思います(特に、書面の代理作成を仕事とする行政書士の方には有用ではないでしょうか)。