まずは訳について。
「イタリアの小説なんだ」と思って読みましたけど、まるでそもそもの最初から日本語で書かれている本のようにすらすらと読めました。なので、キルギシアにいる主人公から、日本にいるわたしが手紙を受け取っているような、そんな感覚で楽しめました。
そして内容について。
この本を読んでも、すべてが劇的に変化するわけではありません。
でも、まずはわたしたちの置かれている、ときどき理不尽にも思える現実を認識することができます。
そして、その対極にある人間らしい生活に思いを馳せることができます。
現実とキルギシアの距離が果てしなく思えてくるのも事実です。
読んでいる途中に、私の心や頭はフル稼働しました。
ポジティブに考えたり、ネガティブにとらえてみたり、うっとりしたり、鼻で笑ってみたり。
私はこの物語のすべてを真に受ける必要はないんだと思います。
読んだ人が自分自身の判断で、気に入った要素を生活や心に取り込んでいけばいいんじゃないでしょうか。
それが、キルギシアとの距離を縮める第一歩なんでしょう。
そして何より、それが人間らしい自然な変化ですよね。
少しずつだけど、着実に変わっていく。
現状に満足しないで変わり続けること。
この本に出会って私が学んだ、一番大きなことかもしれません。