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誰から取り、誰に与えるか―格差と再分配の政治経済学
 
 

誰から取り、誰に与えるか―格差と再分配の政治経済学 [単行本]

井堀 利宏
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

個人勘定賦課方式の導入、地方交付税を地域住民に直接配分せよ、今後30年かけて地方交付税を廃止、公的年金支給開始は男性80歳・女性85歳に、子どものいる世帯には給付付き税額控除を、などなど、不公平・非効率な再分配政策をただす。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

井堀 利宏
1952年岡山県生まれ。74年東京大学経済学部卒業。81年ジョンズ・ホプキンス大学大学院経済学博士課程修了(Ph.D.取得)。東京都立大学経済学部助教授、大阪大学経済学部助教授、東京大学経済学部助教授・同教授等を経て、96年より東京大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 253ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2009/07)
  • ISBN-10: 4492395172
  • ISBN-13: 978-4492395172
  • 発売日: 2009/07
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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14 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西山達弘 トップ500レビュアー
形式:単行本
 今回の井堀氏の著書は、盛んに議論されている「格差」論と「弱者」への分配に対する再考を促す書となっている。
 加えて、最近の財政事情を無視したバラマキへの警告でもある。

 格差社会とよく言われる。著者は、この格差とは何かについての分析から始まり、データで見る限り格差は拡大していない、にもかかわらず我が国で議論されているのは「相対的格差」であるとし、感情的な議論に左右されすぎているとしている。これを是正しようとすると、結果の不平等が行き過ぎ、多くの共産国家に見られたように悪平等となるおそれがあるという。

 つい先日、OECD諸国の相対的貧困率では我が国はアメリカに次いで下から2番目であるという発表がなされた。これを世間では衝撃的にとらえ、ワーキングプアや失業率の高まりと結びつけて論じられている。
 ところが、本書によれば、相対的貧困率とは、所得が中央値に満たない人の割合であって、我が国では中間層の租税負担率が小さいことによる再分配効果が小さいことと、高齢者の割合が増加していることが要因として大きいという。

 また、地方の格差、世代間の格差についても、それぞれ地方も高齢者も政策的に優遇され続けてきた結果、既得権益化してしまっているとし、大胆な提言をおこなっている。
 すなわち、公的年金制度を個人勘定積立方式に改革すること、給付付き税額控除制度と納税者番号制度の導入の提言、段階をかけての地方交付税の廃止、などなど様々な政治的タブーともされる問題に切り込んでいくところは気持ちがいい。

 そろそろ、年金にしろ社会保険にしろ、将来世代から収奪をし続けることには限界を感じる。
 本書がこれからの税や社会保険制度の改革への大きな影響を与えてくれることを期待したい。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Jupiter
形式:単行本
格差と再配分を体系的に分析してまとめた本です。年金に対する考察や各国比較もあり示唆に富んでいます。

しかし、国民背番号制の導入もままならない、有権者の負担となる消費税論議や医療費論議もままならない。誰かが既得権を持って手放さない気がする。誰かが得をしているという不信感が拭えない。いずれの方法での実現でも強力な政治力が必要であり、そういったことに関する言及もあればよりよいのではないかと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 清高
形式:単行本
1.内容
再分配は、いわゆる強者からいわゆる弱者に単純にすればいいわけではない(経済的インセンティブを阻害したり、弱者が自助努力をしなくなったり、真の弱者を規定するのが大変だったり、が理由)。対象を特定したり、期間を特定したり、経済的制約を考慮しなければならない(p49「再分配3原則」)。このような観点から、日本の所得再分配の概要、政策提言、外国の制度との比較、などを通じて、あるべき再分配を追求している。
2.評価
以前『財政赤字の正しい考え方―政府の借金はなぜ問題なのか』(東洋経済新報社)のレビューを書いたとき、「わかりにくい」と書いたが(私だけでなく、少なくとも、東谷暁さんもそう思っているようだ(『エコノミストを格付けする』(文春新書)参照。ただ、データが豊富なのが原因だとか))。それよりはわかりやすかった。ただ、わかりやすいからいいわけではないので星の上では考慮しない。書いている内容のほとんどが、(感情的と言われそうだが)賛成しかねるものだった。(1)データの分析が詳しくなく、参考文献もなぜそれを用いるべきかがわからなかった(著者の「政治的バイアス」(p16)、じゃなかった、恣意で選んでいないかはわからない)、(2)国際比較は大事だが、各国の物価の違いを考慮していないように感じた(物価の高い国ならば、より多くの所得が必要では?)、(3)「少子化対策」(p116)とはいえ、個人勘定賦課方式は、子供を生むことに努力を求めることが適当でない可能性がある(2人の相性もあろうし、病気で産めない場合もあろう)、(4)自助努力を求めるのに反対はしないが、下手すると、生産性の低い産業が温存される可能性がある(誰も就かなければ潰れるが、就く人がいるので潰れない、ということはないのか?)、(5)その他、虐待と経済的動機(p117)など、根拠が薄弱と思われるところが多かった、以上の欠点が見受けられた。直感的で申し訳ないが、すべてが間違っていると思っているわけではないので(経済的制約の考慮、など)星1つにはしないが、全体的にはダメな書物なので、星2つ。
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