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19 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
一見凡庸な探偵役が魅力的。サスペンスフルじゃなさすぎなところもいい。,
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レビュー対象商品: 誰か―Somebody (文春文庫) (文庫)
自転車にはねられ、梶田という男が死んだ。犯人は逃げ去る。死んだ梶田は、大財閥・今多コンツェルンの会長の運転手だった。 梶田運転手の妻は既に他界していたが、32歳と22歳の娘たちが遺されてしまう。 結婚を目前にひかえた控えめな長女・聡美と、明るく奔放な次女・梨子。 姉妹は、大切な父の人生を、本として出版したいと言い出した。 それを知った今多会長は、姉妹が本を出すための相談相手として、 娘婿の杉村(35歳・この物語の主人公)を選ぶ。 杉村は、もともと小さな出版社で児童書の編集をしていたが、 今多会長の娘と結婚したことをきっかけに、コンツェルン内の 広報雑誌を作る部署に勤めるようになっていた。 そんな杉村が姉妹に会って話を聞くと、妹は早く本を出して 父をはねた犯人を見つけたいと意気込んでいるが、姉のほうは ある理由からためらっている。姉妹の2人の温度差が気になる杉村は・・・ 宮部みゆきの書き下ろしミステリーが文庫化、ということで 書店にずらーっと並んでおりました。一人一人の脇役までディテールを 丁寧に描きこむ宮部さんの書き方になじむまでは、かなり読んでいて 時間がかかるしエンジンがかからない感じでした。しかし 舅の偉大さに気後れもしつつ「負けないぞ!」と張り合う気持ちも ある杉村、とか、明るいお嬢様がそのまま人妻になったような その奥さん、とか、探偵役のキャラクターがだんだん立ってくると ミステリーとしていい感じになってきます。うるさいほどの細かい描写が 効いてくるわけです。じわーっと。しかし、ストーリー自体は 梶田のひき逃げ事故のこと、梶田の過去のこと、性格の違う 姉妹のすれ違い、など、盛りだくさんな割りには薄味かな。 どちらかというと、謎がとけてすっきり系、ではなくて、 色々やりきれないことがあったけれど人生は続く、という感じの ほろにが系エンディングです。 実際に犯罪を犯した人物よりイヤな登場人物が出てきた場面を読んで、 吉田修一の「悪人」を読んだときみたいに「本当の悪ってなんだろう」と しばし考え込んでしまいました。
24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
完成度は高いけれど後味が悪い感じがします,
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レビュー対象商品: 誰か―Somebody (文春文庫) (文庫)
宮部みゆきさんの文庫最新刊です。主人公は、大コンツェルンの今多コンツェルンの会長の娘婿である杉村三郎。彼は手に入れた幸せを失うのが怖い小心者で、普段はコンツェルンの広報誌の編集員をしています。その彼に、義父であるコンツェルン会長から、彼の運転手を勤めていた梶田信夫の娘達の相談を受けるように指示されます。梶田は、自転車に轢かれて亡くなったのですが、その事件は未解決のままで、娘達はそんな父の為に本を出版したいというのです。 大人しく心配性の聡美、十歳ほど年の離れた妹の梨子。彼らはともに父の死を悲しんでおり、妹はその本を出すことが事件解決に繋がると感じて積極的ですが、姉のほうは、実はこの事件には父の梶田の隠された過去に秘密があるのではないかと三郎に相談します。彼女が言うには、妹には内緒にしているが、父には隠された過去があったのだといいます。 かくして三郎は、気だてのいい妻と、4才の娘を溺愛するマイホームパパでありながら、事件について調べ始めます。。。。 さて。 ミステリーとしてはオーソドックスでじっくりと作り込まれた作品で、品よくきちんとまとまっています。文章にぶれもなく、構成にも無理がなく、欠点らしい欠点はなく、さすがは宮部みゆきという作品です。しかし、どうしたものか、ストーリーが地味であることも多少は影響していると思われるのですが、盛り上がりが薄く、平坦な感じがしてしまいます。 また、登場人物の「悪意」が根底にあるものは子供じみた感情からのものであるにせよ、非常に後味の悪いもので、それが読後感を悪くさせています。主人公家族は非常に善人で恵まれた人たちであるが為に、余計にこの悪意がひきたって負の連鎖が続いていくことが悲しくなります。救いがないというか本当の意味での解決がなされていないというか。宮部さんの作品には日常の中の残酷な面がよく描かれますが、これは特にそういう作品で個人的には後味が悪かったです。主人公サイドにたって忘れられたら幸せなんですけれど、姉妹の行く末が気になってしまって後味が悪かったです。
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
この小説に救いはあるか,
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レビュー対象商品: 誰か―Somebody (文春文庫) (文庫)
久々の宮部みゆきである。模倣犯以来か。 さて、この作品であるが、内容が地味であり、サスペンスとしては盛り上がりに欠ける分 リアリティがあるのだが、後味がなぁー。 主人公がもっとハードボイルドに徹して、最後に気の利いた台詞を吐けば、ハードボイルド小説として成立すると思うのだが、本書の終わり方では、ちょっと救いがないような気がするなぁ。
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