高校で出会った親友同士の男3人組は、寺の跡取り息子、神社の跡取り息子、教会の牧師の息子だった。月刊「flowers」で連載されてる「さんすくみ」につながる連作シリーズで、単行本には著者のデビュー作「道行き」と短編「夏男と鳥女」も収録。宗教系のネタも多いのだが、全体としては主役3人のゆるいキャラが醸し出すゆるい笑いがこのシリーズの面白さだろうか。爆発的な笑いはないものの、ほんわかとぬる〜い笑いが持続する。これはこれで面白い。
主人公たちは仏教系の男子校で知り合ったという設定(「僕達には秘密がある」)なのだが、寺の息子はともかく、神社の息子と牧師の息子がなぜよりによって仏教系男子校に入ったのかは謎だなぁ……。
物語の舞台はどこかの地方都市。登場する寺や神社には絵を描く際のモデルがあるのだろうが、詳細は不明。ただし教会の内部は東京の銀座教会だ(外観はまるで違う)。階段を上がって2階が入口、受付通ってさらに階段を上がって礼拝堂へ、礼拝堂の正面にパイプオルガンがあって、さらに上階の席があって、エレベーターがあって……という作りは偶然ではあり得ない。登場人物たちの様子はまるで違うし、聖餐式のスタイル(「さんすくみ」の1巻に出てくる)は銀座教会とは違う。たぶん複数の教会を合成しているのだろう。