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読書案内―世界文学 (岩波文庫)
 
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読書案内―世界文学 (岩波文庫) [文庫]

サマセット・モーム , William Somerset Maugham , 西川 正身
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 567 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

世界文学の厖大な宝庫を前にして途方にくれる読者のために,モームが書いたやさしい読書の手引き.「読書は楽しみのためでなければならぬ」また,「文学はどこまでも芸術である」といった自由な見方によって数々の世界の名作が案内される.イギリス文学,ヨーロッパ文学,アメリカ文学の3章.(解説=富山太佳夫)

登録情報

  • 文庫: 191ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1997/10/16)
  • ISBN-10: 4003225430
  • ISBN-13: 978-4003225431
  • 発売日: 1997/10/16
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
   膨大な世界文学の中からどれを読もうか、戸惑っている人のための案内書である。モ−ムがこんな本を書いているのに興味があったし、いい世界文学を読みたい、読みかえしたいと思って手にした。イギリス文学、ヨ−ロッパ文学、アメリカ文学と分け、作家別に紹介している。以下モ−ムの言葉を拾ってみた。

・ある書物があなたにとって大切なのは、その書物があなたにとってどのような意味をもつかという、ただその点だけなのです。あなたにとっては、あなた自身の考えこそ、価値をもつのである。

・読書は楽しみのためのものでなければならぬと、わたくしは固く信じている。わたくしの考えるところでは、読書をひとつの仕事とみなすのは、非常に愚かなことである。人生があたえてくれるもっとも大きな楽しみのひとつなのです。

・文学はどこまでも芸術である。哲学でもなければ科学でもなく、社会経済でもなければ政治でのない。芸術なのである。そして芸術は、楽しみのために存在するのである。

・文学は世界のいたるところに存在し、それぞれの地域での長い歴史と伝統をもっている。それに目を向けようとしないのは、もったいない話だ。伝統を守るとか、伝統に反逆するとかといった芸術論はさておくとして、人間が長い歴史の中で残してきたすくれた遺産に手を伸ばしてみるのがいいと思うし、そうすれば、ある種の文学は自分には合わなくても、別の種類の文学が自分に合うことを発見することもあるだろう。また、場合によっては、映像メディアが絶対にもちえないほどの不思議な力を文学がもつことを発見することもあるかもしれない。白い紙の上にならんだ文字が人を感動させる (これは依然として、人類の発明した最大のマジックなのだ。紙の上も文字を読んで、泣く、笑う、) これはほとんど奇跡なのだ。
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
『月と6ペンス』の著者・サマセット・モームによるブックガイドである。読書は「楽しみ」でなくてはならないというコンセプトで、著者は、イギリス文学、ロシアを含むヨーロッパ文学、そしてアメリカ文学の古典的名著の中から、「これは面白いぞ」というものを選り集め、たいへん短く、簡素でありながらも、まことに正鵠を得た書評を附している。文学は、すべからく「楽しみ」たるべし、という考えが徹底されており、ベストセラーが必ずしも駄作というわけではなく、むしろよい作品だからこそベストセラーたりうるのだ、という自説をも開陳している。だが、それはモームの時代の話であって…。

じつによくできている。品があり高尚である。それでいて、けっしてハードルが高いわけではない。文豪による文豪ガイドである。

訳者・西川正身の翻訳がじつによろしく、西川氏による「付録 モームのベストセラー論」「あとがき」もひとつの作品として完成されており、秀逸。

モームが挙げたのは以下の文学者たちとそれらの作品。

【イギリス文学】
デフォー『モル・フランダース』、スウィフト『カリヴァー旅行記』、フィールディング『トム・ジョーンズ』、スターン『トリストラム・シャンディー』、ボズウェル『サミュエル・ジョンソン伝』&『ヘブリディーズ諸島旅行記』、ジョンソン『詩人伝』、ギボン『自叙伝』、ディッケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』、バトラー『万人の道』、「言語行為論」のオースティンじゃないほうのオースティン、すなわちジェーン・オースティン『マンスフィールド・パーク』、ハズリット『卓上閑話』、ラム、サッカレー『虚構の市』、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』、そして詩歌については、パルグレイヴ『名詩選』&『オックスフォード版イギリス詩選』、ジェラルド・ブレット『イギリス短詩選集』である。

【ヨーロッパ文学】※含ロシア
セルバンテス『ドン・キホーテ』、モンテーニュのエセイ、つまり『随想録』&「ヴァージルの詩数篇」と題するエセイ、ゲーテ『ヴィルヘルム・マイステルの徒弟時代』>『ヴィルヘルム・マイステルの遍歴時代』、ツルゲーネフ『父と子』、トルストイ『戦争と平和』>『アンナ・カレーニナ』、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、ラ・ファイエット夫人『クレーヴの奥方』、プレヴォー『マノン・レスノー』、ヴォルテール『カンディード』、ルソー『懺悔録』、バルザック『ゴリオ爺さん』、スタンダール『赤と黒』&『パルムの僧院』、フローベール『ボヴァリー夫人』、コンスタン『アドルフ』、デュマ『三銃士』、アナトール・フランス『螺鈿の手箱』、そしてプルーストの『失われたときを求めて』であるが、モームはこの著作名を出さず、「彼の書いた小説はわずかにひとつ、ただし一五巻からなる」とほのめかすのみであった。

【アメリカ文学】
フランクリン『自叙伝』、ホーソーン『緋文字』、ソーロー『ウォールデン』、エマソン『エセイ集』、ポーの詩歌、『黄金虫』&「ムシュー・デュパンが活躍するいくつかの物語」=『モルグ街の殺害』『盗まれた手紙』『マリ・ロジェエ事件』など、ヘンリー・ジェイムズ『アメリカ人』>『使節たち』、メルヴィル『モービー・ディック』>『オムー』&『タイピー』、マーク・トウェエイン『ハックルベリ・フィン』、パークマン『オレゴン街道』、ディキンソンの詩歌、ホイットマン『草の葉』である。

また訳者・西川氏によれば、モームは『世界十大小説』という本を、のちに、上木したらしいが、そこでかがられた「十大小説」とは、

バルザック『ゴリオ爺さん』
フィールディング『トム・ジョーンズ』
ディッケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』
トルストイ『戦争と平和』
エミリー・ブロンテ『嵐が丘』
スタンダール『赤と黒』
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
フローベール『ボヴァリー夫人』
オースティン『高慢と偏見』

で、あるそうだ。

私はこの本を読んで、自分がどれほど英米文学に蒙いことがわかった。

しかしあれだ。『必読書150』や『作家の値うち』などといったブックガイドが、いかにうすっぺらいということが、こういった古典を読むとよくわかる。文学者と文学研究者・文芸評論家の資質の差異であろうが…。

翫ぶべし。
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By touten2010 トップ1000レビュアー
形式:文庫
モームは、小説が読めない人は「自分のことだけに心をうばわれていて、自分以外の者の身におこることには、ぜんぜん興味がもてないためであるか、あるいは、想像力が不足していて、小説にあらわれた思想を理解することも、作中人物の喜びや悲しみに共感することもできないためであるか、そのいずれかである。」と決め付ける。

厳しいが同時にモームは、「ある書物があなたにとって大切なのは、その書物があなたにたいしてどのような意味をもつかとういう、ただその点だけなので、たとえあなたの意見が、他のあらゆる人びとと相容れないことがあっても、そんなことはぜんぜん問題にはならない。あなたにとっては、あなた自身の考えこそ、価値をもつのである。」と言い、「ひとはだれでも、そのひとにとっては、自分自身が最良の批評家である。ある書物について、学識ある人びとがなんといおうと、また、どれほど口をそろえてほめたたえようと、あなたの興味をひかないならば、その書物はあなたにはなんのかかわりもないのだ。」と「読書は楽しくあるのがほんとう」で自由なものだと説く。

そしてこの本で「わたくしたちに共通な人間性をもっているp.5」「あらゆるひとに関係をもつ」を紹介している。

しかしここで取り上げられている本は全てが高く評価されているのではなく、中にはだいぶけなしている作品もある(特にアメリカ文学)ところがおもしろい。

文学を勉強する案内には役にたちそうに無いが、「小説は好奇心や同情心を持ち想像力を働かせて楽しんで自由に読めば善い」ということ、本物の小説は全ての人が自分の人生に生かせるものであることが解かる。
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