第一部で良かった箇所。
外国語の本の読み方として、翻訳を読んで、ほんとうにいいと思うところに赤鉛筆で、
よくわからないところに青鉛筆で、それぞれ線を引くか・線で囲む(pp.41-42)。
次に、原書で、赤の箇所を原文で見て、覚える。青い箇所は、辞書に十分に当たって
良く考える(pp.44-45)。(←結構、翻訳にも原書にも書き込むんですね)
最後に、原書を最初から読み通してみる(re-reading)。
例として、フィリパ・ピアスの『
トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))』について詳しく話しています。
(『
さようなら、私の本よ!』の文庫本P.327頁に出ている言葉の由来が分かります。
約1年前の小説に書いた言葉-Time No Longer-を思い出せなかった、と嘆かれてもいます。)
私はここを読んで、『
キルプの軍団』の冒頭で、tutorたる忠叔父さんがディケンズの
『骨董屋』に赤く印した箇所を、オーちゃんが読み込むところを想起しました
(文庫本のあとがきによると、これまた当の作者は忘れていたそうですが・・・)。
次に良かったのは、第4回”ブレイクの受容に始まる”です。
傑作『
新しい人よ眼ざめよ』の「蚤の幽霊」の話が実際にあったことに驚きつつ、
ブレイクの"蚤の幽霊"の絵の意味合いについて知ることで小説をより深く味わえました。
ジュンク堂書店のwebで、講義当時の選書リストを見つつ読むのも一興かと思います。
第二部で良かったのは、単行本のあとがきに代えて、最近の講演が追加されていること
です。東日本大震災に関連してのもので、大変いいお話だと思いました。