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読む人間 (集英社文庫)
 
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読む人間 (集英社文庫) [文庫]

大江 健三郎
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

ノーベル賞作家が語る“読む"ことの大切さ
自分は「これらの本と一緒に生きてきた」。自身の体験を元に、“読む"ことが生きるうえでいかに大切かを説いた読書講義録。東日本大震災後の2011年6月に水戸で行った講義も収録。

内容(「BOOK」データベースより)

私はこれらの本と一緒に生きてきた―。マーク・トウェインから井上ひさしまで、著者がこれまでに出会った、世代を越えて読み継がれるべき大切な作品を紹介。自らの執筆活動と読書体験を元に“読む”ことが“生きる”うえでいかに救いとなり、喜びとなるかをやさしく語る、ノーベル賞作家による読書ガイド。文庫化に際し、東日本大震災後の2011年6月に行われた講演を新たに収録。

登録情報

  • 文庫: 272ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/9/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087467392
  • ISBN-13: 978-4087467390
  • 発売日: 2011/9/16
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
大江さんが池袋ジュンク堂書店で毎月1回6ケ月にわたって行った連続講演が元になっている。大江さん自身は「読む人間として生きた」と、子供時代からの読書体験と感動、翻訳作品を読む際に原文と辞書を横に置いての精確な読み方、3年間1人の作家を集中的に読むこと・併せてその作家に関する良い研究書を1冊読むこと、等を実例を挙げながら楽しげに語っている。といっても例に挙げているのは、ブレイクの預言詩やダンテの神曲等で、私にはどれほで理解できたかは分からないし、読書のハウツーについても簡単に真似ることはできない。ただ大江さんが「書く人間」として真摯に読書を続けてきたこと、また言葉と文体を大切に扱っていることはよく分かった。本書は単なる講演記録ではなく、周到な講義準備と出版に際しての大幅な加筆があるようで、密度の濃い内容を易しくユーモラスに述べている。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tom0
形式:文庫
第一部で良かった箇所。
外国語の本の読み方として、翻訳を読んで、ほんとうにいいと思うところに赤鉛筆で、
よくわからないところに青鉛筆で、それぞれ線を引くか・線で囲む(pp.41-42)。
次に、原書で、赤の箇所を原文で見て、覚える。青い箇所は、辞書に十分に当たって
良く考える(pp.44-45)。(←結構、翻訳にも原書にも書き込むんですね)
最後に、原書を最初から読み通してみる(re-reading)。
例として、フィリパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))』について詳しく話しています。
(『さようなら、私の本よ!』の文庫本P.327頁に出ている言葉の由来が分かります。
約1年前の小説に書いた言葉-Time No Longer-を思い出せなかった、と嘆かれてもいます。)

私はここを読んで、『キルプの軍団』の冒頭で、tutorたる忠叔父さんがディケンズの
『骨董屋』に赤く印した箇所を、オーちゃんが読み込むところを想起しました
(文庫本のあとがきによると、これまた当の作者は忘れていたそうですが・・・)。

次に良かったのは、第4回”ブレイクの受容に始まる”です。
傑作『新しい人よ眼ざめよ』の「蚤の幽霊」の話が実際にあったことに驚きつつ、
ブレイクの"蚤の幽霊"の絵の意味合いについて知ることで小説をより深く味わえました。

ジュンク堂書店のwebで、講義当時の選書リストを見つつ読むのも一興かと思います。

第二部で良かったのは、単行本のあとがきに代えて、最近の講演が追加されていること
です。東日本大震災に関連してのもので、大変いいお話だと思いました。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ロビン トップ1000レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 集英社文庫から出ている『「話して考える」と「書いて考える」』も良かったですが、本書も講義を文章化してあり会話体で書かれているため読みやすく、内容も本格的な文学作品を身近に感じられるように易しく語ってあり、面白かったです。

 第一部「生きること、本を読むこと」では、少年の頃読んだトウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』(私も大好きなので嬉しい)に感動し「ハックはジムを裏切らなかった、たとえ地獄に落ちても友達を裏切らないような生きかたを自分もしよう!」と子供心に誓ったエピソードや、イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクや、エリオット、イエーツ、イタリアの大詩人ダンテ・アリギエーリの作品が大江さんの人生にどう影響してきたのか、またご子息・光さんの成長と自己の文学との関わりなどを通し、人生の場面場面で文学作品をどう読み、それらの経験を元にどのようにして作品を書いてきたのか等が述べられ、第二部「死んだ人たちの伝達は火を持って表明される」では友人エドワード・サイードの伝記映画『OUT OF PLACE』や著作『文化と帝国主義』『後期のスタイルについて』を中心に据えて読書について語られます。
 子ども時代いじめられっ子だったというお話(ナポレオンも周恩来もシェリーも、偉大な人は大概いじめられっ子ですね)や、自殺された永年の親友伊丹十三さんとの逸話も率直な語り口で述べられます。

 『神曲』に関しては、大江さんお勧めの研究書(洋書)や英訳本・邦訳本、イギリスの学者ラスキンのダンテ評までが紹介され、また<地獄編><煉獄編>の大まかな粗筋と大江さんの好きな場面まで語られていて力が入っています。この本を読んでいたら『神曲』が読みたくなってしまい、さっき集英社の文庫版を本棚から出してきました(笑)。
 洋書の読み方について語られている箇所では、辞書を引いて最初に出ていた意味に飛びつくことを戒め、その単語の複数の意味を根気強く調べ当てはめて訳文を作ることが大切である、と助言されていて「大学でも先生にそれを言われたなあ・・」と思い出しつつなかなか怠惰な読み方が治らない自分は非常に耳が痛く(笑)勉強になりました。
 
 本文中で、作家界にも対立とか批判があり、自分は生意気な作品を書いていたからよく攻撃されて孤立していたということや、若い知識人に冷笑されることがあるなど様々なシーンでの老純文学作家の悲哀が書かれていましたが、私は若いファンの多い村上春樹より大江健三郎派ですし(笑)大江さんは今71歳ということですが、これからも不遜な外野の野次を吹き飛ばしながら文筆業に励まれ、我々に素敵な本を読ませていただきたいです。
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