「読むだけで絶対やめられる」
この表紙を見ただけで、笑う人が多い。
けれど、本当に止められた人がたくさんいる。
自分は1日に20〜40本(1〜2箱)を吸うヘビースモーカーだった。
いずれ止めるときのためにと思って読んだんだけど、読み終えた後、そのまま止めてしまった。
この本は喫煙の悲惨なことを書いているわけでも、
喫煙を続けると病気になることを延々と書いてるわけでもない。
ただ、「そこまでして煙草を吸いたいですか?」と繰り返し問い続けているんだと思う。
食後の美味しい一服?最高の暇つぶし?煙草をくゆらせる姿がカッコ良い?最高のリラックス法?煙草を吸う金なんて惜しくない?禁断症状で苦しみたくない?
1日100本を吸っていた元・超絶スモーカー、アレン・カーが
喫煙者の「言い訳」を優しく語りかけるように消していってくれる。
究極のところ、「煙草を吸っていたい」というのは洗脳です。
ある意味で、すべての人の嗜好は洗脳や先入観であり、その人の嗜好が特別たらしめる客観的な事実はなく、
その人の気持ち次第でしかありえないのです。
煙草という嗜好物に対する洗脳や先入観を消してくれ、新しい洗脳でプログラミングし直してくれます。
その「洗脳」に身をまかせれば、煙草を「あえて」吸いたいなんて気持ちにはならなくなる。
そういった意味で、この本はある意味で完全に「自己啓発本」だし、洗脳の教書と同じ。
その証拠にこの理論の焼き直しで、著者はダイエット本なども出している。
煙草を必要としている人を理屈で吸わせなくするのではなく、
そもそも煙草を必要じゃない人にしてしまおうというアプローチです。
以下、僕が心から納得して煙草をバカらしくしてくれた言葉のいくつか。
・食後の一服が最高に美味
⇒普通の人はそんなものがなくても幸せ。
それがなければ美味しいと感じられないあなたは不幸。
・ニコチン依存の離脱症状は辛くない
⇒ニコチン依存は実は大したことが無い。
睡眠中に吸いたいと目が覚めたことがありますか?
・煙草はストレスに良い
⇒ムカついているときに吸う煙草が美味しかったためしはありますか?
むしろ、煙草による欠乏感で余計にストレスのタネを作っているんですよ。
さて、実は僕はこの本で2週間禁煙したあとに「ちょっと1本だけ」で禁煙に失敗したんです。
けれど、その2週間に体験した煙草のニオイの不快さ、息抜きは出来ること、寝起き・肌の調子が良くなったこと、
他人といるときに煙草を吸いたくならないこと、という事実は、
煙草をやめても人生がつまらないものになったわけではないことを教えてくれました。
そして、それを実感することで、もう一度禁煙に踏み込むことが出来ました。今も僕はノンスモーカーです。
煙草を心から止める気がしない人は、それが幸せなのだから、この本は必要ないと思います。
僕はいまだに煙草のある人生と煙草のない人生のどちらが良いかは分かりません。
煙草によるコミュニケーションと、煙草のある空間における居心地の良さは今でもかけがえがなかったと思う。
ただ、煙草をやめたいけどやめられなくて、そんな自分が嫌になっている人、ちょっとでも煙草に疑問を感じ始めている人。
そんな人たちは迷いなくこの本を読んでみてください。あなたの世界は間違いなく変わります。
この本を読んで一緒にノンスモーカーになりましょう。
煙草をやめるきっかけになった2週間を与えてくれたこの本と、著者のアレン・カーは本当に素晴らしい。
多くの人を啓発した功績は、例え彼が肺がんで死んでしまったからといっても、この先も決して色あせないものだと思います。