よく工夫がされ、よく書けている日本史入門だと思います。
大学入試を日本史で受験したぐらいだから、かなり詳しかったはずなのに、
すっかり忘れているのか、それとも山川の教科書にはそのように書いていなかったのか、
「あれ?そうだったっけ?」と、勉強になることが多いです。
特に良いと思うのは、因果関係、「流れ」をつかみやすいことです。
なぜ鎌倉幕府が衰退したのか?なぜ応仁の乱が起こったのか?…等々。
尊王、攘夷、倒幕派が入り乱れる江戸末期のややこしさも、手際よく解説している。
逆に言えば、教科書の記述が無味乾燥すぎるのですね。
くだけた表現とか、そういった文体のことを言っているのではなくて。
教科書は「ああなった。また、こうなった。さらに、ああなった」というand,and,and…の書き方です。
本書は「こうこうだから、そうなって、その結果、こうなった」という書き方だから、becauseの部分がしっかりしている。
そもそも、教科書ってのは、becauseの部分はハッキリと書きにくいですね。
たいてい、becauseの部分は、愛憎、嫉妬、思い込み、ヒガミだったりするから。
でも、そういった人間の本性みたいなのが、歴史を理解するうえで重要なのだと思います。
というわけで、歴史を暗記科目としか感じていない中学生、高校生あたりに、ぜひお奨めしたいです。
だいぶ勉強が楽になると思います。