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説経節を読む (岩波現代文庫)
 
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説経節を読む (岩波現代文庫) [文庫]

水上 勉
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「厨子王恋しや、ほうやれ。安寿の姫恋しや、ほうやれ」―酷悪な世を地蔵菩薩の霊験に導かれ、親子が再会するまでの物語。説経節の中でもよく知られている「さんせう太夫」など五作品を、著者が自らの体験・人生を通し語り尽くす。親子夫婦の別離、人の世の残酷、不条理な身体的不遇…人間の業が見えてくる。

内容(「MARC」データベースより)

あらいたわしやな…。これは夢かや…。民衆の心、無常の風を伝える説経節。「さんせう太夫」「かるかや」「信徳丸」「信太妻」「をぐり」の五編を現代の語り部・水上勉の名調子で案内する。『新潮』連載を再編したもの。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 308ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/6/15)
  • ISBN-10: 4006021216
  • ISBN-13: 978-4006021214
  • 発売日: 2007/6/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By まげ店長 トップ500レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
私はいわゆる「◯◯を読む」というタイトルの本を読むのは本意ではないのですが、
説経節の本文を原文のママ読むのはかなりしんどいのでかえって真に理解できません。
こうした解説本もうまく使うのも研究のコツなのでしょうね。

この本は単なる解説というレベルでもなく、筆者が子供の頃に語り聞いた記憶なども
交えて語られていますの、原文よりも凄みが増します。
これで理解できたら、また原文に戻って読み直せば良いのですよね。

説経節は東洋文庫で読めますので、原文に当たりたい方はそちらを是非どうぞ。
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形式:文庫
 森鴎外の「山椒大夫」では、安寿は、弟厨子王を追ってから逃れさせようとして、履物を揃え入水自殺する。「これが鴎外の思ったもっとも美しい女性の姿だった」と中学生の時、授業で聞かされた。女とは、そして美とはそのようなものであるのかと僕は思った。それからだいぶたって、もとの説教節では安寿は追っ手に捕らえられ八つ裂きの目にあうのだということを知り、驚くとともに妙に納得させられた。僕は、文豪の楚々とした女性像は、知識人がでっちあげた近代的なフィクションでありインチキであると思った。

安寿の行く末については説教節にもいろいろなヴァージョンがあり、八つ裂きにされる話もあれば、自害する話もあり、また、生き延びて厨子王との再会をはたす話もある、とこの本で教えられた。どちらが本流なのか分からないけれど、水上勉は、それよりも村の聴衆のノリで変幻自在と化する説教節の自由を好ましく思っているようだ。そう考えると、鴎外の「山椒大夫」も長い読み替え・変奏の歴史のひとこまとして興味深い小説と言えるのかも知れない。

中山の国分寺に隠れ追ってをかわした厨子王は、足腰が弱って歩けない。朱雀七村の足や腕のない童、盲い、両親のそろわぬ童が「育み申さん」と歌いながら厨子王を天王寺(このトポスの有意味性についても一再ならず言及がある)まで土車(つちぐるま)に乗せて送る。著者は「いま、読みかえしても頬がぬれてくる」と言い「まこと曇天の雲が割れ、ひと筋の陽光がさしのべたような解放感を味わわしめる」と。僕も、この箇所を読んで中世的なものの迫力ある美しさを想像するけれども、ここも鴎外は割愛してしまった。
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