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8年の後、かつての恋人は金持ちで、皆に尊敬される人間になりアンの前に現れます。もう若くはないアンを尻目に、若い令嬢たちと戯れますが、アンは自分の年齢と立場をわきまえ控えめに振舞います。しかし、ある事件をきっかけにかつての恋人は、アンの本当の魅力を、人間としての尊敬すべき人柄を再認識します。
『人間にとって真実の愛とは何か』とオースティンは問いかけてきます。『一生に一度の愛とは何か』『愛することの自己犠牲とは』・・・。『人間とはどうあるべきなのか』美しい英国の自然の中で、登場人物を介して抑制が効いた愛が語られ、人間の尊厳が説かれます。
現代の私たちには古臭いテーマかもしれませんが、普遍的な問題であることには代わりがありません。そして、小説の中には自分の一生を自分で切り開いていくヒロイン・アンがいるのです。愛に自立する女性、愛から自立できた女性。200年ぐらい前の小説であるオースティンの世界には、現代の私たちよりも先見的な女性が登場することも面白さのひとつだと思います。
周囲の人々を支え愛することにアンの日々は過ぎていきます。7年の歳月が流れて実家が凋落し、花の盛りも過ぎた頃、そのアンの前に、再び元恋人が現れます。しかも「より立派」になって、今では望ましい「お婿さん候補」として誰からも認められる存在です。
心の動揺を抑え静かに状況を受け入れるアン、対照的に社交を楽しみ、アンの若い義妹達とはしゃぐ元恋人。アンの方にも準男爵を受け継ぐいとこからの求愛があります。一見受身に思われる「女性」のあり方ですが、ひたすらに恋人を思いつづけるアンの心情が強く美しく読者に迫ります。
また「男性・女性の愛について」色々な形で登場人物が語ります。愛情のモラルの高さが幸せな結婚の鍵であると作者は語っているようです。
いとこの方とは大ドンデンとなりますが、とにかくラストがハッピーエンドで本当によかった。
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