2003年初版の「誤訳の構造」よりも少し印字が大きくなっている。内容が重複しているところも多少あるが、繰り返しによる記憶の定着度が上がり、2冊共、手元に置いている。
ひながたの英文と誤訳の例が「線で囲って」あり、そのすぐ下部に [解説] ( 文法的な説明、正しい翻訳例、同類の例文と訳など )がくる。
翻訳者の思いこみで単語を訳し、つじつま合わせにさらに作文をした翻訳( habitsを習慣と訳したばかりに)。 原文とは全く違った意味になってしまう例(potを壺としか訳さないため ・ shrink を縮む、萎縮するで訳し、口語での軽い意味を調べずに訳したなど)。スペルが似た単語間違えのために、『 よき人生の3大要素 』に、「あくび」が加わってしまったり。
単語の他、イディオム、文法。 そして広告文、映画、テレビの字幕、歌詞、大統領演説。 誤訳40選、誤訳5段階レベルチェックなどなど、濃い内容。
小説などで、原文のリズムが消えていたり、訳が回りくどすぎて理解するのに苦労することもあるが、『へ』と『を』の違いで、意味がかわる例は 特に印象に残った。 中には、『ドアをガタガタ鳴らした』のを、『ドアの取っ手をぐいぐい引く』と訳した例もあり、「ドアをガタガタ鳴らすのには、取っ手をぐいぐい引くのだから、訳した人の親切かな」と思ったが、原文どおり忠実に訳してあれば、読者は想像するし、そこも読む楽しみの一つなので、正しい素直な訳の方が良いのだろう。
今まで、多読で楽しんで、分からないところはわからないまま放置してあった語義がいくつか解決した。forなどの良く出てくる単語をイメージでつかんでいたことを反省した。