近頃では電子辞書がもてはやされ、紙の辞書の人気が落ちているそうです。とくにパソコンの中に収めた辞書などは、意味を調べるためだけなら最短距離でたどり着ける使い勝手の良さがあります。けれど、紙の辞書にも紙の辞書ならではの良さがあると思います。そのひとつが「言葉との出会い」。ぱらぱらっとページをめくり、偶然に手をとめたページで出会う初めての言葉。その回り道的良さは、電子辞書にはない楽しさ。この「語源海」も、そういった楽しみを味わうにはぴったりの辞書だと思います。
ただし、辞書として致命的と言えるほどの欠点もあり、それは収録語意の少なさです。この本の大きさと厚さは、あくまで文字の大きさによるものであり、辞書風のルックスから語意の豊富さを期待すると裏切られます。
辞書ではなく、一種のうんちく本として購入したほうが、満足度は高い気がします。