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25 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
鬼気迫る迫力に圧倒。,
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レビュー対象商品: 誘拐 (ちくま文庫) (文庫)
現職の警察官に勧められた本。元読売新聞社記者の緻密でねばり強い取材、複雑な人間関係の描写にも驚かされるが、当時の社会情勢や階層、差別などがそのままの言葉で書かれており、今では表現できない言い回しも新鮮さを感じる。包み隠さず人間の暗部を描くことで、他に類を見ないリアリティーを生み出している。また、職業差別からくる思いこみによる初動捜査の遅れや現場指揮での判断ミスなど犯罪捜査だけでなく、一般の会社組織の構造にも通ずる点が多くあり、一気に引き込まれた。 一方、動機をただ単に「金欲しさ」などと片づけるのではなく、動機の生成過程を冷静かつ丹念に描いているのもすごい。 当時の時代背景を考えても、自力の取材でここまで描けることに感銘を受ける。 正直、読み続けるには疲れる本だが、日本犯罪史上つとに有名な事案を疑似体験できることは、大変な財産となると思う。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本田靖春の最高傑作,
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レビュー対象商品: 誘拐 (ちくま文庫) (文庫)
吉展ちゃん誘拐殺人事件を扱った犯罪ドキュメントの古典である.徹底した現場取材,関係者へのインタビュー,文献や裁判資料の調査など,諸々のノンフィクション作品の執筆手法に一切の手抜きがなく,文面の隅々にまで緊迫感が横溢し,脚色にも不自然さがない.社会派ドキュメントの不朽の傑作として確立された作品である.著者自身が快作と言っている以上,私などが論評する余地はない.事件の起きたのは昭和38年,吉展ちゃん誘拐事件は司法警察の捜査の範囲を超えマスメディアによる情報公開が容疑者検挙の重要な契機となった.犯人の身代金要求の会話がテレビやラジオを通じて公開される.今で言えば劇場型の展開を示した特異な事件であり,公権力よりマスメディアが大きな力を発揮し始めた時代であった. 現代では個人情報保護や人権最優先の観点から,この作品と同じような手法でのドキュメントを執筆することは不可能かもしれない.しかし,昭和51年当時にあっても本田靖春は同じような制約に直面したはずである.そうした関係者の抵抗を克服するだけの記者魂と熱意が,関係者の重い口を開かせたのであろう.吉展ちゃん誘拐事件は個人的には同時代性を感じるが,若い世代のためには90年代の社会を震撼させた事件の数々について,関係者の記憶が風化しないうちにドキュメント化してもらいたいものであるし,それを可能にする優れた筆力の作家の出現を待望する.
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
迫力あるノンフィクション、一気に読ませる!,
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レビュー対象商品: 誘拐 (ちくま文庫) (文庫)
東京オリンピック開催の前年に発生した「吉展ちゃん誘拐事件」。警察にとっては度重なる初動捜査のミスによる痛恨の「大失態事件」。正直、あまり期待せずにページをめくったのだが…。読みだしたら止まらない。途中で止められなくなり、一気に読んだ。綿密な調査に基づいた臨場感、犯人の生い立ちに肉薄する人物像の鮮明さ、迫力あるノンフィクションだった。
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