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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
作家の優しさが反映された犯罪小説,
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レビュー対象商品: 誘拐ラプソディー (双葉文庫) (文庫)
伊達秀吉という主人公の名前からしてギャグである。冒頭の自殺をためらうシーンは、落語の枕のようにくすぐりの連続だ。ところがこの伊達君、かなり同情されるべき環境の中で暮らしてきたことが描かれる。にもかかわらず、ギャグタッチで描写してゆくところに、救いがある。誘拐なんてテーマは重苦しくなるしかないと思うのに、物語がどこまでもポップで能天気に展開していく。 大体、犯罪小説なのに死人が一人も出ない(香港人で多分大怪我したのはいるけど)。読み終わって、荻原という作家は、人間好きな人なのかもしれないと思った。人間の美しい部分を信じている作家なのかも知れない。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ギャグ誘拐,
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レビュー対象商品: 誘拐ラプソディー (双葉文庫) (文庫)
物語は長編ながら、割合一気に読み上げられます。何故なら、内容と展開の両方がギャグっぽくて、かつ、軽妙だからです。 誘拐自体のちぐはぐさには、笑ってしまいました。 しかし、子供の境遇と教育には、考えさせられるものがあります。 後半は、段々と話が複雑になってきて、奇妙な構図が浮かび上がってきます。 収集がつかなくなってくる感すらありますが、終盤には、物語は、きっちりと収束します。 物語自体に、漫画的なノリを感じました。 暴力団親分などの、設定そのものが、娯楽フィクション的です。 しかし、その「娯楽フィクション性」こそが、真髄だとも、感じます。 いかにも、著者らしいです。 大部分は笑い、時に、しんみりとします。
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
まさに誘拐“ラプソディー”,
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レビュー対象商品: 誘拐ラプソディー (双葉文庫) (文庫)
38歳の伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけという男。4月初めの土曜の朝、勤め先の親方を殴って、金とクルマを奪って自殺しようと、とある丘の上にやってきた。そこで勝手にクルマに乗り込んできた6歳の少年伝助を誘拐したことにして、5千万円せしめようとするのだが。あろうことか伝助はヤクザの組長の一人息子だった。おかげで秀吉は、当のヤクザはおろか、チャイニーズマフィアや警察にまで追われる、世界一運の悪い誘拐犯人となってしまう。 物語は秀吉のドタバタ逃走劇を縦糸に、そしていつしか芽生える伝助との友情というかキズナというか、心のふれあいを横糸に展開してゆく。脇役のヤクザの幹部やマフィアのボス、それと刑事たちも、それぞれ何かを抱えていて人生の悲哀がうかがえ、魅力的に描かれている。 荻原浩の作品らしく、たっぷり笑えて、それでいてなんとなくほろ苦く、人情味あふれる物語だ。
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