本書の著者は、現在、認知行動療法実践の最前線にいる人であり、学会等でも精力的に活動している人である。
ワークショップとの書名からも分かるとおり、本書は著者が開催している認知行動療法の初級ワークショップの内容を本にしたものである。
“初級”とはいうものの、その中身は非常に充実しており、認知行動療法を進める上で、必要不可欠なスキルが非常に具体的に分かりやすく解説されている。
ワークショップを文章化しているために、面接場面の具体的なやりとりや、受講者のと質疑応答も載っており、ちょっとした“?”にも答えられている。
また、最後にはうつ病とパニック障害の事例報告もあり、具体的な認知行動療法の実践方法が分かるようになっている。
認知行動療法というと、認知再構成法や暴露療法といった数々の技法が注目されがちであるが、大切なのはそういった技法ではなく、患者・クライアントとの共同作業を通して、個々の問題をアセスメントしていくことであるということが良く分かる良書である。
ただ、“初級”ということからも、この本で認知行動療法の全てが分かる訳ではなく、むしろ認知行動療法を行う上での土台となるものが書かれている。
そういう意味では、この本を読んでから、個々の技法や障害に対する技法を勉強することが望ましいと考えられる。
また、著者が開催する上級のワークショップに参加するも良い。
・認知療法=コラム表
・認知行動療法は認知にしか焦点を当てない。
と思っている方にはぜひ読んでいただきたい本である。
また、病院では心理療法をオーダーする側である医師の方々にもぜひ読んでいただきたい本である。