この本の題名は、『認知症と診断されたあなたへ』となっている。
これほど 否定的な、あるいは絶望的な概念としての認知症の今までのイメージを崩した題名はない。
「認知症と医学的に診断された主体としてのあなた」を 認め きちんと 肯定しているのである。
認知症といわれても人間としての尊厳は普遍である。
著者たちの、この話は、『ケアってなんだろう』(医学書院)をまず、お読みになったら、納得されるであろう。
認知症と診断された 方たちへの 尊厳をまもるため、あえて「あなたへ」と話しかけている。
この本は きわめて 現実的である。
日本社会では どのように 生きることができるのかを 具体的に詳細に語ってくれている。
ここまで こまかく 語ってくれるとは。
小沢勲氏と黒川由紀子氏が きちんと いかに 認知症と言われていた方々やそれを支えんとしてきた人たちと一緒に仕事をし、ケアに関する具体的な実践をしてきたかがわかる。
同時に第6章『サービスを利用すると楽になる』は 現在日本社会の支援体制の実体と利用の仕方を まことに具体的に教えてくれている。介護保険制度、施設のことなど。
最後は、第7章『最期まで自分らしくいきるために』では、公的後見制度に関してまでふれている。
大事な大事な本である。