ラネカー流の認知文法(本書では「認知言語学」とは区別している)の基本的な考え方や問題意識を、日米の2人の言語学者の共同で論じた一冊。
チョムスキーの革命を踏まえた上で(過剰なチョムスキー攻撃がないのも好感が持てる)、認知文法の特徴を「用例に基づく」「意味論重視」「境界はファジー」「独自の言語観をもつ」ものであるとする。ここからシンボル、音と意味との関係、スキーマ、意味論、形態論、生産性、テンス・アスペクト、節、メタファー、構文論、イディオムといったテーマについて論じあげ、認知文法の全体像を描き出す。
最低限の一般教養程度の言語学知識は求められるが、Q&A形式等で懇切丁寧な作りである。参考文献が充実しているのも頼もしい。