本書は語法に関する周辺的な知識の追求を目標にしているわけでもなく、また,この調査で得られた知見を授業で取り上げるべきだと主張しているわけでもありません。言葉の変化や母語話者の言葉使いの奥底にある言語感覚に耳をそばだてることも、英語を学び教える私たちにとって大事なことではないか、というささやかな思いが、読者の皆様にお伝えでき、日本の英語教育の発展になんらか資することができれば幸いに思います。
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一方この本は作り方が根本的に違い、まず「本来こう言われてきた」と従来の文法
や語法を辞書や参考書から引用して提示し、次に103人のネイティブに「あなた
もその言い回しを使うか。使わないなら、使う人や本を知っているか。どのように
使い分けられているか。」などの質問に対する回答をグラフ化し、出てきた様々な
意見ごとに抽出して原文のまま載せ、最後に「成果と展望」と題して、まとめる形
をとっている。
最も特筆に価するのはサンプル(103人のネイティブ)の選出方法だろう。統計
に偏りが出ないように、性別・年齢・職業はおろか、出生地・小中学校・高校・大
学・取得学位に至るまで考慮され、現住所もアメリカに40%、イギリスに40%、
カナダとオーストラリアとニュージーランドに20%が割り振られている。何より
重要なのは、全員が共通して「ある程度の教養がある」事だろう。
国籍を超えて文字通り老若男女の生の声を集めて作ったこの本は、ネイティブが普
通に使う「ニュースキャスターっぽくない」適度に崩れた自然な英語も無視する事
なく、正しいか間違っているかだけでもなく、実際に使うかどうかを主眼に置いて
作られている。私は予備校講師を1年、英会話講師を1年したが、扱われている内
容は多くの生徒が悩んでいたものと一致する。
中学・高校の教師や塾・予備校の講師のみならず、適当にブロークンで授業をして
しまっている英会話講師や、受験を終えて一通りの文法と語法を把握した大学生が
読めば、古くて堅苦しい英語のチェックだけでなく純粋に読み物としても楽しめる
だろう。
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TOEICや英検などで高得点をとり、何かちょっとおもしろい本がないかなぁと思っている人には、最高の一冊です。試験の得点を上げよう~と頑張っている人には逆に「余計な一冊」になってしまうかもしれません。
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英語の教師ならそれを授業に直接反映させる必要はありませんが、本書にでていることをふまえた上で教材研究や授業の準備をするくらいだと、生徒も幸せだろうと思います。~
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