タイトルからは現在の20代の若手を中心とした世代分析論のような内容かと思ったのだが、その傾向は薄かった。博報堂で新人育成・研修を担当した著者が、自身の体験に基づいて会社内における世代を越えたコミュニケーションの必要性を繰り返し説いたもの。実例としては現在20代前半〜半ば過ぎの若手と40歳前後の著者との対話を軸にしているが、中堅以降が若手を理解し得ず世代間に溝があるというのは昔も今後も変わらないだろうから、テーマとしては普遍的なものだと思う。
とにかく世代を越えて話してみよう、まずは理解できなくても相手を認めようと説き、どうしたらわかりあえる部分があるかを話していればある程度は理解もできるようになるだろうと訴える。
ただしコミュニケーションの技術や方法論はない。あくまでも意識付け・動機付けの本である。著者自身と若手たちとの間で多く交わされた代表的な対話の事例集としての色合いが濃く、今の若手の特質は事例紹介の補助解説的に語られ、彼らを特徴づけた時代背景も若干交えている。
本書で指摘された現在の若手の代表的な特性は以下のようなもの。
・「オンリーワン信仰」が強く「自分を大切に」と育てられてきたので、プライドが高く叱られると殻に閉じこもる。
・ケータイ世代である彼らは人との接触が極めて選択的になり、会いたい時に会いたい人とだけ会う、話したい時に話したい人とだけ話す傾向が強く、同質の人間とだけ付き合い異質な人間との接触が少なかったため、不特定の対人コミュニケーション力が弱く、社会に出て強制的接触をすると「怖い」人が増えて間合いの取り方がわからなくなる。
私自身もマーケティングリサーチで20代の特性を分析したり、社内で実際に若手と接した感触から考えても、納得できるところは多かったように感じた。ただ個人的には職務での経験上あまり目新しい視点などはなかったので、辛めで★3つ。