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詩集 人はかつて樹だった
 
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詩集 人はかつて樹だった [単行本]

長田 弘
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

水があった。大いなる水の上に、空のひろがりがあった。空の下、水の上で、日の光がわらっていた。子どもたちのような笑い声が、漣のように、きらめきながら、水の上を渡ってゆく。大切なことだけが書かれている詩集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

長田 弘
詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971‐72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(1982)、桑原武夫学芸賞(1998)、講談社出版文化賞(2000)などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 90ページ
  • 出版社: みすず書房 (2006/07)
  • ISBN-10: 4622072297
  • ISBN-13: 978-4622072294
  • 発売日: 2006/07
  • 商品の寸法: 21.2 x 15 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「。」 2006/9/15
By ヤヤー VINE™ メンバー
形式:単行本
先日、『一字一会』という本を読みました。
各界の著名人に「いま、何か一つだけ、字を書くとしたら?」と問いかけて出来た本です。
その中で、詩人の長田弘さんは「 。 」と書きました。
「・・・語るべきことばを語り、句点(。)を打つ。ことばではないのに、ことばにかたちを与え、
意味を持たないのに、ことばに意味をもたらす、句点(。)の大切さ、またおもしろさ。」

語るべきことばを語り「。」のつけられた詩たちは、慈雨のごとく沁みて来る感じがします。
たとえば、こんなことばに。

自由とは、どこかへ立ち去ることではない。
考えぶかくここに生きることが、自由だ。
樹のように、空と土のあいだで。
 (「空と土のあいだで」より)

老いるとは受け容れることである。
あたたかいものはあたたかいと言え。
空は青いと言え。
 (「樹の伝記」より)

声に出して、自分自身に読んでみる。
ことばが、語りかけてくる。
沁みてくる。
効いてくる。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By patella
形式:単行本
 静かに立っている、しかし孤独ではない。生きることのそんな気持ちを「樹」に託した詩集。この詩集は、「思わぬがんの告知をうけた家人に付き添って、傍らに、樹のように、ただここに在るほかない、この冬からの日のかさなりのなかで編まれた。」というあとがきにある言葉を思って読むと、どの詩もひとしお深く感じられる。

立ち去らず、ただ傍らに静かに立っていること。その力は 「水平の力」という言葉を思い出させる。「死にゆく人は垂直の力の中にある。心は天に、体は重力で地に向かう。もう一人の人がそばにいると、二つの物体の間に引き合う水平の力が生まれる。垂直の力の中に水平の力が加わると、死は温かい。」(「心のくすり箱」徳永進より)。ただ生きる時でさえ、人は垂直に立つ力をいつも使っているのではないだろうか。そのとき、傍らにあるものの力は、ただあるだけで優しく、大きい。

 表紙に使われているフリードリヒの「孤独な木(朝陽のあたる村」も、この本にとてもふさわしいと思われる。この木さえ、良く見れば一人の人間をもたれさせている。いや、孤独な木にさえ、寄りそっている人がいるのかもしれない。
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