「試験」について、その先進国であったドイツ、イギリスでどのように発達し、
修正が加えられてきたか、ということともに、日本独特の試験制度の成り立ちが
詳しく述べられていました。
試験でのみよい成績を取ることに汲々とすることが、全人格的な教育を阻害する種
になるとの、ある意味当然の危惧が、日本の教育制度の立ち上げ時代から認識されて
いたのだ、という記述からは、当時の日本人が如何に自分の頭で物を考える人たち
であったか、ということに新鮮味すら感じました。
それと同時に、某地方都市で勃発中の「学力テスト」問題の馬鹿騒ぎや
「PISA式学力」云々の報道を少し相対化して見ることができるような気がしました。
本書でもう一つ興味深かったのは、学校の入り口を主に重視してきた日本の試験制度・
学校制度と、日本が本当は手本にしたはずの諸外国での出口重視の制度の、あまりにも
大きな違いが描写されていたことです。
関係資料を、もっと色々読んでみたくなりました。