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評論家入門―清貧でもいいから物書きになりたい人に (平凡社新書)
 
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評論家入門―清貧でもいいから物書きになりたい人に (平凡社新書) [新書]

小谷野 敦
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

世に評論家と呼ばれる者多し。そもそも評論とは何ぞや? 評論と学問の違い、評論の読み方、正しい論争のやり方など、ビンボーでも「書いて生きていきたい」人へ贈る7章。

内容(「BOOK」データベースより)

ものを書く仕事がしたいという人が増えている。しかし、物書きは儲からない。本を出したって、売れやしない。批判されれば胃が痛み、論争をすれば神経がすり減る。それでも「書いて生きていきたい」と言うのなら、本書を読んで、活字の世界に浮上せよ!評論とは何か、その読み方、評論を書くにあたっての基本的な事柄を示し、物書きという仕事の苦しみと愉しみを説く。“有名評論採点”付き。

登録情報

  • 新書: 232ページ
  • 出版社: 平凡社 (2004/11)
  • ISBN-10: 4582852475
  • ISBN-13: 978-4582852479
  • 発売日: 2004/11
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
小谷野さんの評論はいつも読んでいてスカッとする。本書もその例外ではない。ちっとも面白くない文章しかかかないくせに、なぜか出版社がありがたがる「丸谷才一」をけちょんけちょんにくさしてくれてみたり。高校生の時、当時の「高校生読書案内」その他で「すごいすごい」と持ち上げられていたので読んでみたところ、断定と飛躍のオンパレードで一体こいつの文章のどこがすごいのか全く理解できず部屋の隅に投げ捨てた記憶のある「小林秀雄」もくそみそにけなしてある。「小林がよくないのは、その文章の多くが、論理的に読めないから、ということに尽きる」とは、誠に持って至言である!こいつの文章は正に「全編独り合点で、わかるやつだけ読めという態度」なので、これが私が進学校に通っていた当時、あまりにも鼻について好きになれなかった。私は文章とは福沢諭吉が言ったとおり「猿にでもわかる文章」でなければならないと思っている。小林秀雄の評論は悪文の代表例であり、知識も経験も少ない高校生なぞに読ませるべき文章ではない。そう思って桜蔭に進んだ娘が学校からもらってきた京都書房「新訂国語総覧」第四版を見ると小林秀雄が大きく取り上げられている。それとならんで、おお、あの死の間際まで「北朝鮮は悪くない」と叫びながら死んでいった国際政治音痴の丸山真男や、大金持ちの医者の家に生まれ何不自由なく育って日本の敗戦を早くから見通した「大秀才」極左の加藤周一まで載っているじゃないか!一度、小谷野先生には文部科学省審議会の諮問委員になっていただいて、この辺りの人選を根本から見直していただきたいものだ。

返す刀で小谷野先生はマルクス主義信奉者の柄谷行人も血祭りにあげている。「むろん」「もちろん」「いうまでもない」を文章の中にちりばめる柄谷の手法を「小林秀雄以来の、日本文芸評論(特有の)こけおどし」と切って捨てる小谷野さんの筆致は鮮やかである。

小谷野さんを見ていると、なんか人生を辛い方へ辛い方へと駒を進める「だめんず」みたいな香りがしてきてならない。普通、受験秀才は「将来何を専攻したら就職に有利か」「どの職業がやりがいと高い報酬にありつけそうか」を常に考えて努力するものだが、こういう俗物的な生き方と小谷野さんは無縁である。でも精神病を患い、向精神薬まで飲みながら論争するガッツを普通の人はもたない。確かに「匿名は卑怯である」かもしれない。でもそのネットでの罵詈讒謗は匿名だからこそできるものだし、それが世にもまれな「自由な言論空間を作る」ことにもつながっていると思う。だからこそamazonやbk1の書評は歯に衣着せず出来て楽しいし面白いのであって、それが故に毎週新聞に乗る「仲間ぼめ」「ヨイショ書評」とは一味も二味も違う「骨太の真実」に満ち溢れた書評がamazonやbk1にあふれるのではないか。あまり筋論に拘泥すると人生生き難くなる見本のような人が小谷野さんかもしれない。でも私は小谷野さんが好きだ。今後とも書いて書いて書きまくってもらいたいと思う。
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25 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
この著書は、「評論家入門」というタイトルをそのまま受け取って、客観的に見ると構成が明らかに変である。
最初から延々と学術論文と批評について、とりとめなく書き連ねてあるのに、終章になって、「つか、エッセイストなんていいんじゃねえ?」的なことを、突如言い出して読む者をズッコケさせるという落ちになっているからである。
しかし、これを小谷野氏の立場に則して考えると非常にわかりやすいのではないか。
学術論文(大学教員)と批評(批評家)の間を揺れ動き、どっちも希望が持てずに(前者は人間関係が面倒、後者は職業として喰えない)エッセイストに活路を見出すのもいいんじゃないか、と思っているのは実は小谷野氏本人ではないのか。
彼の著作は、本著作も含め、常に内在的な問題意識に引きずられていると言ってよく(なんと言っても「もてない男」の著作者である)そういう意味では、エッセイストは向いていると思うが、果たして「上野千鶴子批判」とか「日本のアカデミズムの内実」的なことばかりを延々と書き連ねるエッセイストが、市場で需要があるのだろうか。けだし見ものである。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本書の主眼は、評論とはいかなるものであり、それは学問とどう異なるのか。そして評論家なる生き物の生態とはどのようなものなのか、に置かれている。実際に著名な文藝評論家の実名を挙げながら、著者から見て評価できるものと全くできないものの両方を紹介している。とりわけ重きが置かれているのは、「小林秀雄批判」と「柄谷行人『日本近代文学の起源』批判」である。後半は「論争のすすめ」と簡単な論争の歴史が書かれ、締めは「エッセイストのすすめ」となっている。

前半部分が「評論」および「評論家」について書かれているのに対し、後半は「評論家の行為」すなわち「論争」について述べられている。これがまた面白い。87年に始まった番組「朝まで生テレビ」や、90年代に入って小林よしのりのマンガ『ゴーマニズム宣言』とそれをめぐって起こった論争によって、論争そのものがまるで「薄汚く下品なもの」(163頁)と見られるようになってしまったという。さらに、かつて新聞紙上で「2ちゃんねるは「お子様大学生」や「成人式で暴れる若者」と同根」と切り捨てた著者は、論争をいっそう「恐ろしいもの」にしてしまったものとして、インターネット上における匿名の掲示板への書き込みを挙げている。

しかし本来論争とは――確かに神経をすり減らすようなものではあるが――評論家にとっては「勲章」(158頁)と言えるものであり、昨今のできる限り議論を避けようとする風潮は、「明らかに日本の学術の水準を下げている」(160頁)と著者は言う。そのせいで、批判にきちんと答えないまま自説を繰り返してしまったりしている人が時々いるが、それは「多くの人が支持しているのを自説の正しさの根拠にする」ことと並んで、「ルール違反」(189頁)なのである。特に論争的な問題について何か自分の論を展開した場合は、批判にきちんと答える(あるいは間違っていたら正直に自分の過ちを認める)というのは、学問に携わる者のみならず、知的活動をする者の最低限のマナーだと思う。

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