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評伝 川島芳子―男装のエトランゼ (文春新書)
 
 

評伝 川島芳子―男装のエトランゼ (文春新書) [新書]

寺尾 紗穂
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日中のはざまで妖しく乱舞し、無器用にもがき、遂には刑場の露と消えた「男装の王女」川島芳子。「武士道精神が消えたから、日本は滅びた」という最後の指摘は何を意味する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

寺尾 紗穂
シンガーソングライター。1981(昭和56)年東京生まれ。東京都立大学中国文学科卒。東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻修士課程修了。修士論文は本書の元となった「評伝 川島芳子」。大学在学中から音楽活動をはじめる。06年『愛し、日々』でレコードデビュー。07年『御身onmi』でミディよりメジャーデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 258ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/03)
  • ISBN-10: 4166606255
  • ISBN-13: 978-4166606252
  • 発売日: 2008/03
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
川島芳子.この清朝末期の王女でありながら,日本人川島浪速の幼女となり,後に漢奸として中国にて処刑される女性の生き様は,実に波乱万丈だ.幼少時より浪速の影響もあり清朝再興をのぞみながら,16才のころピストル自殺を試み(その養父に強姦されたためとの説),アルバイトのためヌードになったかと思うと,髪を切って男装,さらに大陸に雄飛し行軍や満州建国に参加する.自由な現代でも,これほど強烈な人生を生きる女性はまずいないだろう.

本書は,そんな川島芳子の内面の葛藤を,あくまで学術的な視点から掘り下げて描いている良作だ.著者の寺尾紗穂がシンガーソングライターという異色の経歴を持つ若い女性であることにも興味を惹かれるが,そんなことは無関係に思えるほどの力作に仕上がっている.内面に光を当てている分,川島芳子の行動面の記述が薄くなっているのは惜しいが,いままでのテレビ的解説に物足りなさを感じている読者には特にお勧めだ.
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
川島芳子の伝記としては上坂冬子のものがあるが、本書はそれに対する修正を含んだ「ノート」ともいうべきもので、「評伝」と銘打つほどのものではない。修士論文としてはこれでも良いが、「異性装」に関して最近の西洋の論文など引用するのは不適切で、むしろ当時のモボ・モガ風俗との関係で考えるべきものだろう。「鬱屈とした」など、日本語がおかしいところもある。全体として新しい発見があるかどうか。東大の修士論文としては標準的な出来であろう。
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 辰己 トップ100レビュアー
形式:新書
川島芳子は、「男装の麗人」と」してセンセーショナルに扱われた。
そのため、実像が見えなくなっているところが少なくない。

清朝末期の14王女でありながら、日本人川島浪速の幼女となる。
当時、満州国建設に絡んでいた浪速とともに中国を行き来するするうちに、
芳子も関東軍との関係を深め、その活動に強く関与したとされる。
その結果、戦後、国民党に逮捕され、昭和23年、処刑される。

本書は、芳子の波瀾万丈の人生を、もはや少なくなった修験や資料をたんねんに積み重ねることで浮き彫りにしていく。
煽るような書き方もしていない。
それはおそらく著者が、まだ20代のシンガーソングライターで、
日本が戦争をしたことぐらいしか知らなかった――と書いているように、
まったく白紙の状態からデータを拾い集めたからだろう。
個人的にはもう少し著者の「意見や主張」を出してもよかったという気がないでもないが、
そもそも「あの戦争」に関しては、今、こうやって淡々と事実を積み重ねたほうが迫力が出るし
説得力もある。

決してワイドショー的にはならず、三流週刊誌のようでもなく、
妙な政治的バイアスもかかっていない。
重く受け止めたい本である。
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