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証言 日中映画人交流 (集英社新書)
 
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証言 日中映画人交流 (集英社新書) [新書]

劉 文兵
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

高倉健らトップ映画人の貴重な証言集!
高倉健、山田洋次、栗原小巻、佐藤純彌ら邦画界トップの俳優、映画監督たちの中国像と体験を検証。中国の話題のみならず、従来のインタビューには見られない戦後映画史の貴重な証言が満載の一冊。

内容(「BOOK」データベースより)

高倉健、佐藤純彌、栗原小巻、山田洋次ら邦画界トップクラスの俳優、映画監督たちの中国との交流を気鋭の中国人映画研究者がインタビュー。高倉健の内田吐夢監督の思い出、父や幼少期の話、佐藤監督の人民解放軍との共同作業の逸話、栗原小巻の日中文化交流活動、山田監督の敗戦後の満州での生活のエピソードなど、初めて語られる貴重な証言が満載。また、戦時中中国戦線へ従軍した経験を持つ名匠木下惠介監督の知られざる功績にも光をあてる。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/4/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087205908
  • ISBN-13: 978-4087205909
  • 発売日: 2011/4/15
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 395,152位 (本のベストセラーを見る)
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よくもまあ、この企画で完成させてくれたなぁと思う。しかも、すこぶる面白い。

高倉健がこれほど本音を語るとは……、何故健さんが映画に出ないのか、それが分かるだけでも凄い。

中国との合作が多い佐藤純彌監督の発言では、かつて聞いたことのない中国での興味津々の情報に溢れている。

栗原小巻の発言で今更ながらに驚いたのは、聞き手が中国人である劉文兵さんであるからだろうが、自らが新劇女優として運動である思想面をはっきり語っていることだ。これは劉さんが穏やかではあるが非常に知的な学者さんであることへの、長年の渇望の発露ではなかろうか。とにかく、これほど熱い栗原小巻は初めてで、それを引き出した本書の功績は量り知れない。

山田洋次監督のインタビューでは、監督自身がよく満州からの引き揚げを語っていることもあり、あまり新鮮な驚きはないようだった。しかし、劉文兵さんから発せられた『馬鹿が戦車でやって来た』と中国の『白毛女』の類似点に関する指摘などは、作者ならではの切口だ。日本人同士の対談でいくらでも出来るレベルのものなら不要なのであり、この本は劉文兵さんだからこそ聞けること話せること多数で成立しているのが素晴らしい。それにしても、山田洋次が話す『男はつらいよ・大連慕情』が実現していたなら、どれほど楽しかっただろうか。

この本の白眉は、実は最終章の木下恵介篇での著述である。
映画人交流を通して、いまギクシャクしている両国の関係を何とか出来ないかと、劉文兵さんは考えたのだろう。それはまた、我々日本の映画ファンの願いでもある。

そういう祈りに満ちた書であると、ボクには見えた。

この本が760円?何という安さだろう。

絶対にお勧めできる労著であったこと、安堵しました。
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By 革命人士 トップ500レビュアー
高倉健、佐藤純彌、栗原小巻、山田洋次。インタビューした4人は揃いも揃って巨匠。何とも豪華なメンバーが中国と自身の深い関わりを語る。

雰囲気と違い、話し好きと言われてはいたが、実際、健さんはよく喋る。張芸謀の最近のハリウッド的傾向をやや批判的に指摘して「人の心を打つというのは、大声で言うことでもないし、一杯書くことでもないし、難しい字でもない…」。小声で囁いても感動させられるというのだが、いい言葉を言うなあ。「不器用な人間だと思われてるから。でも、そんなことはない」。余りにはまりすぎた健さんの代名詞「不器用」も、もうお別れかも。

山田洋次監督が語る、幻の「男はつらいよ 大連慕情」のシナリオ、寅さんと中国が見事にミックススされたラストが面白い。山田氏の政治志向はかなり左であることは知られているが、その根底には過酷な満州引き上げがあった。ある日突然民を捨てる、国への不信感がにじむ。そして、満州の支配者階級だった山田監督は「ひどいことをした」と繰り返す。

栗原小巻が、反戦主義者で戦前逮捕経験もある師匠の千田是也の信念を、「演劇を通して伝えたい」とはっきり言っているのが印象的だった。彼女について、名優ながらもアイドル的な女優さんなのかと思っていたが、ただ、愛しているだけではなく、確固たる信念を持って演劇をしている俳優というのは珍しいのではないか。中国人が熱狂した30年前と同じように、栗原氏は中国人と「文化交流こそ平和の礎」と交流を続けている。この10年、危うい日中関係だが、栗原氏に支えられている部分も少なくないのだと思う。

心に残るカギ括弧の多いインタビュー録だ。4氏とも、著者の該博な日中映画の知識に引き出されるようにして、どっと押し出されるように語り出している。もちろん、丁寧な再校あってこそとは思うが、著者のセンスの良さを感じた。
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前作「中国10億人の日本映画熱愛史」と対になる本である。
中国人に熱愛された高倉健や栗原小巻らの俳優や、佐藤純弥や山田洋次らの映画監督らが、国交正常化後の中国とどう向き合い、交流してきたかを聞き取ったものである。
日中両国を知っている在日二十余年の著者は、目配りの利いた的確な質問で貴重な証言を引き出している。

中国が改革開放を歩んでいた80年代は、日本との蜜月期だった。
経済関係が深まった今より遥かに人的交流は少なかったが、少数でもお互いに敬意を抱き合う人間たちが交流していた、ある意味で幸せな時期だった。
もう二度とこういう時代は来ないのだろうなと、若干のセンチメンタリズムを抱きつつ読んだ。

日本人として、中国と関わるということはどういうことなのか。
それがあまりにもビジネスライクになっている今、映画という文化産業を通して中国に関わってきた先達の体験や意見は、非常に参考になる。

「政治的状況がどうであろうと、一番守らなくてはならないのは、個人と個人が出会った時から結んだ友情や信頼関係なのです。それを守るだけの勇気があるかどうかという問題なのです」(佐藤純弥)
「政治や経済は、時代や状況によって揺れ動くことがあります。文化の力は揺るぎません。人間が本来持っている、善なるものへの信頼、それが文化であり、文化交流です」(栗原小巻)
「あなた達の先祖がどんなに苦労していたのか、ちゃんと知っているのか」(山田洋次)
こういう含蓄のある言葉を、私は最近聞いたことがなかった。
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