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証言・フルトヴェングラーかカラヤンか (新潮選書)
 
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証言・フルトヴェングラーかカラヤンか (新潮選書) [単行本]

川口マーン 惠美
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ベルリン・フィル全盛時代の楽員たちが、初めて語ってくれた本格インタビュー集。ドイツ精神主義の化身・フルトヴェングラーと、飽くなき音響美の追求者・カラヤン。共同作業した音楽家でなければ分からない二大マエストロの秘密を、臨場感溢れる語り口で解き明かす。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

川口マーン 惠美
大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。ドイツ・シュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科卒業。シュトゥットガルト在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 286ページ
  • 出版社: 新潮社 (2008/10)
  • ISBN-10: 4106036207
  • ISBN-13: 978-4106036200
  • 発売日: 2008/10
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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By otsuka
形式:単行本
フルヴェンかカラヤンか。それを元ベルリン・フィル団員たちに聞いて回る、という本。著者はジャーナリストではないので、取材対象に鋭く迫るという風ではない。たとえばカラヤンがバレンボイムを嫌っていたという証言などはもっと追及してほしかった。そういう隔靴掻痒の感はあるが、取材というより元団員たちとの温かい交流のなかから、音楽家たちの肉声が伝わってくる。

フルヴェンかカラヤンか、という点では、有名なアンチ・カラヤンのテーリヒェンを除いて、カラヤンへの高評価が目立つ。カラヤンのおかげで彼らはもうかったのだからそれも当然といえるが、やはりプロたちを説得するだけの音楽的力量があったのだなあと思わせる。読後、カラヤンの「響き」をもう一度聴き直したくなった。

偶然、仲丸美絵の朝比奈隆の評伝『オーケストラ、それは我なり』と同時に読んだので、カラヤンと朝比奈が頭のなかで重なった。同書によれば朝比奈は反カラヤンのフルヴェン派で、両者の音楽スタイルは対照的だが、晩年にその独裁制がオーケストラと不協和音をかもす過程がよく似ている。どちらもそのカリスマ性が客を集めたが、オーケストラが奏でる音楽と指揮者の関係は真に芸術的だったのか? 華々しい成功の陰にある「独裁者」の晩年の孤独がどちらの本からも伝わってくるのである。
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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kewpie VINE™ メンバー
形式:単行本
ベルリン・フィルの元団員11名に行ったインタビュー集。そのあと、著者の聡明な総括があり、また、初学者向けと称して編集部が追加した解説がある。但し、この解説(18ページしかないのが残念)は初学者向けなどではなく、しっかりと書かれていて、ふつうに面白い。反面、本当の初学者が読んでも、何かがわかるようにはならないだろう。そういう点で、この本はどこまでもクラシック音楽ファン向けである。

ほぼ同名の著書があるテーリヒェンへのインタビューから始まる。彼が強固な反カラヤン・親フルトヴェングラー主義者であることは好事家には有名であるが、本書では他の楽団員へのインタビューから、彼の意見が必ずしも公正でないことを暴きだす。しかし、公正ということを言うなら、いったい誰の意見を信じればいいのか。各人の意見は、とりわけカラヤンの評価について大きく割れ、個人の追憶や解釈がこれほど多様になりうるとは、想像をはるかに超える結果であった。一部の人間の意見だけでは何もわからないのだ、ということが痛感される。

インタビューの態度は、本書を読む限り大変好感が持てる。著者は礼儀を忘れず、謙虚に質問を行い、一切無理をしていない。きちんと勉強してからインタビューに臨んでおり、文章表現にも気品があって、かつ大変明快な記述である。各人の意見の比較が随所でなされているのも理解を助ける。もっとも、以前のインタビューで得た意見を、出所とともに次のインタビューで明かしてしまうのは反則ではないかとも思うが、息苦しい国・日本での話ではないから、このくらいなら許されるのだろうか。
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
タイトルからして、かつて物議をかもした書物の著者でもあったテーリヒェンへのオマージュであることは明白なのですが、そのオリジナルに決して引けをとらないどころか、かえって真実を洗い出す手助けとなるかのような書物です。

もちろんサンプルのとり方にも「現存する、元ベルリン・フィルのプレイヤーの中で、取材をオーケーした人物」という無視できないバイアスがかかっているのですから、客観性には限界があります。しかしながら、あの戦中戦後を体験した楽団員本人たちから、いまなおフレッシュな感想を引き出し得た、という事実は動かしがたい価値をこの本に与えています。

そこにあるのは、フルトヴェングラーと対をなすかのような政治的無邪気さであったり、オーケストラとは指揮者の忠実な楽器でありさえすればよいのだというプロフェッショナリズムであったり、そうはいっても指揮者なんてお飾りで、本当に演奏しているのはオーケストラなのだというプライドだったり、ずいぶん稼がせてもらった人の悪口など言えない、という「勝ち組」の美学だったりします。そして、「世界最高のオーケストラ」と言われたベルリン・フィルが、たゆまぬ技術の研鑽の末に、団員のポストを手に入れ、そこでの生活を維持するために「世界一」を演じてきた、生身の人間であったことに思い至るのです。

カラヤンとフルトヴェングラー、このかつては激しく対立し、正反対の音楽的主張をもっていたかに見えた二人の巨匠が、さまざまな視点から異なる光を当てることで、微妙な像の揺らぎを見せます。そこに何を見いだすか。最終的にそれは、読者にゆだねられていると思うのです。
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投稿日: 2008/10/27 投稿者: ymatsui4
一気に読ませる
 雑誌に載っていたものを大幅加筆したインタビュー集である。インタビューの印象が次へ次へと繋がるので読み出すと止まらなくなる。語り口も柔らかい。... 続きを読む
投稿日: 2008/10/26 投稿者: 治
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