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証言の心理学―記憶を信じる、記憶を疑う (中公新書)
 
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証言の心理学―記憶を信じる、記憶を疑う (中公新書) [新書]

高木 光太郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

人は嘘をつこうとしていないのに、体験していない出来事を見たり聞いたりしたと証言してしまうことがある。証言の聴き手が、それと気づかないうちに虚偽の証言や自白を生み出す手助けをしてしまうこともある。人間の記憶は脆く、他者の記憶とのネットワークによって成立している。これを法廷という非日常の「現場」に生かすことは果たしてできるのか。興味深い実例を交え、心理学研究の最前線をわかりやすく説明する。

内容(「BOOK」データベースより)

人は嘘をつこうとしていないのに、体験していない出来事を見たり聞いたりしたと証言してしまうことがある。証言の聴き手が、それと気づかないうちに虚偽の証言や自白を生み出す手助けをしてしまうこともある。人間の記憶は脆く、他者の記憶とのネットワークによって成立している。これを法廷という非日常の「現場」に生かすことは果たしてできるのか。興味深い実例を交え、心理学研究の最前線をわかりやすく説明する。

登録情報

  • 新書: 202ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2006/05)
  • ISBN-10: 4121018478
  • ISBN-13: 978-4121018472
  • 発売日: 2006/05
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By ぽるじはど トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 質問者の言葉遣いや誘導などによって、事実の記憶がどう変質いくかを、実際の事件や実験結果をもって説いている。

 善意の友人同士の会話では、お互いに記憶を補完しあい、お互いを信用する事で会話が成立しているが、法廷では、その証言を疑い、詳しく訊かれる事から事実追求が始まる。

 記憶が取り調べやメディアの報道、事件において様々な人と語ることによって容易に変遷しうるということを、誰もが裁判員となりうる2009年までに理解しておかねばならないという意味では必読の書である。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ビブリオン トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 日本の裁判では、警察の事情聴取による目撃者の証言、拘置所内での容疑者の自白、裁判中に喚問された専門家の参考証言などが、決め手になって判決が下されることが多いようです。それらの証言が真実なのか、当人がただ事実と思いこんでいる場合もありうるのではないか。記憶心理学の点からヒトの記憶の働きの問題点を分析、実際の裁判に参考意見を提出している著者の話です。

 著者達も初めは仕事内容を誤解して、証言内容と事件の事実との照合を、事件現場にまで行って調査したそうです。それは警察の仕事です。一方、心理学が関わる裁判関係の仕事として、事件関係者に精神疾患がなかったか、証言に関していえば、病的な虚言の性癖がなかったかなどを、暴くのは精神鑑定の仕事です。

著者が行う供述分析で、求められているのは、健常な人間が持っている記憶の働きの詳細を、司法の場に提供すること。それにより証言が真実かどうかを裁判官達は判断できるはずです。

エリザベス・ロフタスがこれを始め、日本では浜田寿美男が独自に供述分析の仕事を始めたそうです。両人の仕事が、詳述されています。記憶の変容という普遍的な事実を陪審員に説明するのが、ロフタスのやり方です。浜田は、同一人の複数の供述調書を比較、その変遷から証言聴取の現場に生じた歪みを読み取り、供述者のウソや記憶のメカニズムで変わる場合と、取調官の尋問により変わる場合とに分けています。焦点は、証言者と取調官の対話の構図に絞られています。

著者は、供述調書と公判記録をも分析。証言者各人のその人らしさの語り口に注目、もし発言に変な語り口がある場合、そのシフトを明らかにし裁判の場に提供します。証言者が公判という自分を押し流そうとする人間関係の中で、独特な語りの運動を行うのに注目し、分析しています。

明晰で、面白く読めます。しかし大変な仕事だと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 記憶と言うものがいかにあてにならないか、それがどのような条件のもとでどのように変容するかが実験心理学で裏付けられ、非常にショッキングである。本書では法廷での証言の記憶を問題にしているが、そこに書かれている事実は記憶に関わるすべての人にとって役に立つ情報だと思う。ジャーナリズムや歴史学はもちろん、応用範囲は非常に広いと思う。

 例えば医師でも問診のときしつこく患者に誘導尋問を仕掛けてくる人がある。自分の治療モデルに患者を合わせようとするのであろう。これが非常に危険なことであることはいうまでもない。誘導尋問がいかに危険なものか、本書を読むとよくわかる。医師の方々にも是非本書をお勧めしたい。

 また、企業経営の現場でも、こうした記憶に関する科学的な知識を持っていれば、無用な混乱を避けられるのではないか。あるいは、子育てなどにも応用が効くと思う。本書では「甲山事件」の事例を挙げて子供の証言の信頼性の問題を指摘している。

 記憶と関わらない人間はいない。記憶がどういうものであるかを知らないで生きるということは非常に恐ろしいことである。そういう意味で本書は万人にとっての必読書であると思う。
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