原著「Proofs Without Words II:More Exercises in Visual Thinking」を再編集した本です。原著では説明はなく、ひたすら図が並んでいるだけですが、日本語版は訳者による簡単な解説がついてフォローしやすくなっています(ページ数の関係で一部問題が割愛されていますが)。
「子どもに教えたくなる算数」(栗田哲也)「代数を図形で解く―直感でわかる数学の楽しみ」(中村義作, 阿部恵一)を読まれた後、「数式の証明を図で考えるケースをもっと知りたい、考えてみたい」という時、本書はお薦めできます。例えば、次のような数式を図で綺麗に証明する例に触れることができます。
・等差数列をなす4つの正の数a, a+d, a+2d, a+3dの積は2つの数の平方差に現わすことが出来る
・三角関数の加法定理、和積(差積)の公式各種
・0<a<bの時、(a+b)/2>(b-a)/(log(b)-log(a))>(ab)^(1/2) (log:自然対数)
・1^2+2^2+...+n^2=n(n+1)(2n+1)/6
・1^2+(1^2+2^2)+...+(1^2+2^2+...+n^2)=1/3*{n(n+1)/2}*{(n+1)(n+2)/2}
こうして図による数式の証明の「美しさ」に気付く/味わううちに、数学の美的感覚に磨きがかかります。このような【科学的美的感覚】が数学上の発明に必要だと、数学者・アダマールが「数学における発明の心理」で述べています。本書は大学受験生から数学愛好者までお薦めできると思います。