ディック・フランシスの描く競馬シリーズの主人公は、基本的に毎回
別人だが、その人格は、みな同じだ。ストイック&タフで、我慢強くて、
女性にもてるetc。実に「良いおとこ」達だ。
本作「証拠」の主人公:トニイ・ビーチも例に漏れず、「良いおとこ」
なのだが、彼にはある弱さがある。職業も他の作品(探偵、銀行家、
小説家等)とは違って、「酒屋」と地味である:笑。
彼がある事件を通じて、自分の弱さを克服していく様は、「自分も
こんな風に自分の弱さを超えられたら」と強く共感する部分である。
実は、新婚旅行でロンドンに行った際、たまたま立ち寄った古本屋で
著者のサイン入り原作本を見つけ、手にいれることができた。この作品は、
私にとって、運命的な作品であると思っている。