この映画がDVD化されるのを何年も待っていました。職業倫理について考えさせられる一方、人情面でも絆される映画です。法廷物の好きな方はもちろん、そうでない方も、観終わった後「観て良かった」と思われるのではないでしょうか。
この映画の元になったのは1970年代に起きた「グリムショウ対フォード自動車社」事件(俗に「フォード・ピント車事件」)で、概要は次の通りです: フォード自動車社は、日本車に対抗すべく開発した同社の新小型車ピントが、後から追突されるとボルトの一つが燃料タンクに穴を空け、容易に大惨事を招きかねないことを設計段階で把握していたにもかかわらず、ピント車の企画当初の目標「重量2000ポンド以下、コスト2000ドル以下」を貫くために設計変更をしない決定をし、危険性を消費者に伏せたまま販売(1971~76年)。その後大問題となった訴訟は、同車に同乗中フォード社予想通りの大事故にあい、著しい後遺症を伴う重傷を負ったグリムショウ少年が、同社を相手に損害賠償を求めて起こしたもの(1981年評決)。
この実際の事件に関して中央大学の平野晋教授が自らのウェブ・サイトで詳細に論じておられるので、興味のある方は「フォード・ピント事件の真相」で検索してみてください。