先行シングルなし、完全コンセプトアルバム。
このことからもより子さんの強い制作意欲が伝わってきます。
リメイクの楽曲が2曲あるという不安など払拭する素晴らしい一枚です。
バラード偏重気味だった前作に対し、今作はM5やM7、M9など
ノリが良くリズミカルなより子節炸裂の楽曲もあったりと、多様性があります。
それでいて2ndのようなアレンジ過剰な印象も受けず、
あくまでシンプルで聴きやすいです。
M2「Dear My Friend 」M4「ほんとはね。」など、彼女得意の
自伝的で直球なバラードは説得力云々を超えたパワーを感じ、
家族や友情に焦点を当てたM5「メロスのように」M6「HOME PARTY」も良し、
他の人がやればいわゆる"駄曲"になってしまうようなM9「働く!よりこブギ」も
セッション風の雰囲気が楽しく、上手くインタリュード的な役割を果たしていて、
ラストは神秘性を感じる文学的な要素を感じる「ミカヅキ」「あなた」で締める。
個人的に一番の名曲はM7「Shadow」ですね。
エキゾチックな舞踏会を髣髴とさせる妖艶で煌びやかな楽曲で、
前作の「Uzu」の路線をより深化させたような印象です。
より子さんは心情を吐露するバラード以外にもこういった楽曲もよく似合っています。
単曲はもちろんのこと、アルバム全体の持つ温かみや、時にはダークさも感じながら、
より子さんの真摯なメッセージが伝わってきます。