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記憶・歴史・忘却〈下〉
 
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記憶・歴史・忘却〈下〉 [単行本]

ポール リクール , 久米 博
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

壮大な「記憶の政治学」の試み。アウシュヴィッツの後で歴史は可能か?!記憶と忘却の弁証法のなかで歴史叙述の可能性をつきつめ、「赦しえないものをいかにして赦すか」という「困難な赦し」の問題にいたる、著者畢生の大著、完結。

内容(「MARC」データベースより)

「記憶と忘却」の弁証法の中で歴史叙述の可能性をつきつめた壮大な「記憶の政治学」の試み。下巻では歴史の批判哲学、記憶の条件としての「忘却」などを論じ、赦しえないものをいかに赦すかという「困難な赦し」の問題に至る。

登録情報

  • 単行本: 362ページ
  • 出版社: 新曜社 (2005/5/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4788509474
  • ISBN-13: 978-4788509474
  • 発売日: 2005/5/12
  • 商品の寸法: 21.2 x 14.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Herm
形式:単行本
くしくもこの日本語訳の下巻が出版されて間もなく、とうとう著者リクールが他界。なにかフランス20世紀思想の最後の大作としての風格がますます感じられてしまうのは感慨に流された印象だろうか。読み通してみると、やはり難解な箇所や疑問を持つ箇所なども多々あるが、『時間と物語』や『他者のような自己自身』と比べて現代世界の緊迫した問題への言及が多くて、取り付きやすい。その点、著者の他の書物よりも広くおすすめできるかも。同じく惜しくも昨年亡くなったデリダへの論争的な言及が下巻の最後のほうにある。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
未刊の大著 2006/11/22
形式:単行本
生きた隠喩⇒時間と物語⇒他者のような自己自身

で別々に主張されていたことが、この著作では、「心的外傷を伴う事件とそれに関する記憶と忘却と赦しと証言」についてを語るという形式を纏いながら一本に統合されている。つまりこの本で扱われる範囲は、個人のレベルではPTSDの被害者の記憶であり民族のレベルではホロコーストの記憶ということになる。

ということでワクワクしながら読み進めてみた。

上巻で著者は「“私が”明確な意図を以って他者にメッセージを伝達する」という立場を厳守し、ソシュール的記号論やオートポイエシス的システム論の立場とは主義を別にすることを表明し、ハーバーマスとともに「近代の主観」を擁護する立場を宣言し、歴史家の役割として忘却すべき事件と忘却はしないが赦すべき事件とを峻別する証人となることを求めた。同時に歴史家をしっかりと監視する役割を市民が負うべきだと自らの立場を位置付けている。これを承けた下巻では「他者のような自己自身」で展開された倫理感が再度とりあげられ「自己への受難」を他罰的になることなく、しっかりと喪に服しつつ受け止めるのが我々一人一人に課せられた使命であり、それによって我々一人一人が人格的に成長するのだと主張されて論が閉じている。しかしながら、忘却についての論考は著者も認めるように論考が未完になってしまった…。上下巻ともに民族としてのホロコーストの記憶を扱う内容になっている。個人レベルのそれは精神医学の範疇になるのだろうか?リクールからの答えはもはや永久に帰っては来ない。
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