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普通の対談録とは一味もふた味も違い、やり取りがダイナミックで、かつビジュアルなので、テレビを見ているようで大変楽しい。これはやはり、古館の名調子によるところが大きいと思う。養老の話は時に観念的で難解だが、古館がそこを上手にわかりやすく引っ張り出している。
特に興味深かったのは、日本語を脳がどう扱っているか、という話題。失読症という文字が読めなくなる脳の病気があるが、ひらがなだけが読めなくなる症状と、漢字だけが読めなくなる症状があるそうだ。日本人は言語を操るときに、西洋人のように左脳だけを使っているのではなくて、いろんな場所を使っている証拠だそうだ。日本人の脳は忙しい。
脳に関する数々の興味深い話題に、肩肘を張らずテレビでも見るような感覚で触れることができるという点で、よくできた教養番組のような対談録だと思う。通勤電車でぱらぱら読むのにお勧めしたい。
この本を読みながら、最初の方は、『養老孟司って、いい加減なことばかり言ってるなあ』と、思いました。『バカの壁』も、そんな感じですが。
しかし、後半は、なるほど! と、頷くことばかりでした。
そもそも、養老孟司がいい加減なのではなくて、脳がいい加減なのです。
あったことをなかったことにする、なかったことを実際にあったことのように記憶する、そんなことは、朝飯前です。
自分が、真実だと記憶していることは、真実である、と思い込んでいる人に、真実を知って欲しいと思います。
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