主に大阪大学の理論計算チームが共同執筆した、理論計算の方法が書いてある。
DFT(密度汎関数法)を使って物性を研究するのが目的で、様々なアプローチで研究が展開されているのが紹介されている。
シミュレーションソフトのフリーダウンロードのサイトも掲載されており、説明書に相当する解説も加えられている。
しかし自分でプログラミングして計算をしたい人ではなく、既存のプログラムをどう活用するかに重点が置かれているので、あくまでソフトウェアユーザーとして計算したい人にお薦めの本である。
そういう視点で見ると多種多様な計算方法がある事をこの本一冊から学ぶ事ができる。
第一原理計算の進歩はコンピューターの進歩と比例して、急激に発展しているため、計算により未知の物質を発見できる「夢」が多く盛り込まれていて、読んでいて面白く感じる本でもある。
新しい理論的背景も紹介されており、入門書と書いてあるが、量子力学や固体物理、統計力学はある程度解っていないと、きついだろう。
実験をやり、計算も同時にやる人にとってはとても便利な本になると思う。
最近はそういう人がとても多いので、こういう本が流行ってくると思われる。