内容紹介
現存する日本人の美術家の中でもっとも高い世界性をもつ河原温。その作品の本質をめぐって、これまでだれも論じえなかった地点を論じ、画家自身の絶讃を受けた記念碑的講演。ドイツで刊行後、日本で初の刊行。
詩人としての活動とともに、その装幀家としての活動が一体となっている平出隆が、本の最小にして最終の形態のひとつを作り出した画期的造本のシリーズの一冊。
レビュー
「朝日新聞」2011/02/20手に取って、まずこれはメールアートと思うだろう。差出人は東京都八王子市の多摩美術大学教授で詩人の平出隆さんだ。ドイツから直輸入という白い重ねの封筒にタイトルと著者名、住所、イラストが印刷されており、あて先のシールが貼ってある。切手には消印が押され、通常の郵便で届く。中には8ページの、白いつやのある紙に印刷された作品。字の色や配置、イラストなど、デザインは厳密に考え抜かれ、美しい。しかしこれはまた、本でもあるのだ。 平出さんが昨秋から始めた極小出版の試み「via wwalnuts」叢書(そうしょ)は、封筒が表紙カバーに当たる。本である証明は、封緘(ふうかん)シールに印刷されたISBNコードとそのバーコード。日本図書コード管理センターに登録・申請すれば取得できる(有料)。そしてこの叢書はISBNコードを持つことによって、アマゾンを通しても注文を受けている。「個人雑誌ではなく、商業出版です」と、平出さんはほほえむのである。