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言葉の箱―小説を書くということ (中公文庫)
 
 

言葉の箱―小説を書くということ (中公文庫) [文庫]

辻 邦生
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

小説の魅力、小説の言葉、小説とは何かについて平易に語り下した文学論。「物語を創り読む快楽は不滅である」とする信念に満ちた辻本人による最終的回答。

内容(「BOOK」データベースより)

小説を書く根拠、目的、方法について、様々な例を挙げながら、生き生きした口調でわかりやすく語りかける。自身が担い続けてきた使命や文学の未来について、熱く説く様は次世代への遺言ともいえる稀有な作品。『小説への序章』にはじまり、『情緒論の試み』を経て「小説とは何か」という問いに対する最終的解答ともなっている。

登録情報

  • 文庫: 200ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2004/08)
  • ISBN-10: 4122044081
  • ISBN-13: 978-4122044081
  • 発売日: 2004/08
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 84,059位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
森有正が亡くなってから何年になるのだろう。調べてみたら1976年だった。30年近くになる。
森有正は一世を風靡した思索家だったのに、亡くなってしまったら急速に評価がしぼんでしまった。
今では彼の著書はほとんどが絶版、私と同世代でも森を覚えている人はほとんどいないだろう。

辻邦生は、森有正を支持し続けた作家である。
美しく平易な日本語で書かれ、フランス文化とフランス語が基盤になっている辻の文章は、森によく似ていたが森よりはずっと理解しやすいような気がした。
 「廻廊にて」だけは繰り返し読んで身についたような気がしていが、他の作品は平易な表現でいながら難解で、そこが森有正によく似ていた。
 きちんとは読んでいないくせに、いつも気になる作家だった。

 前置きが異様に長くなってしまったが、「言葉の箱」は講演集である。講演のスタイルのままで編集されているから、とてもわかりやすい。
この本を読み始めて以来、私はずっと歓喜にあふれて仕合わせな気分が続いていた。喜びで溶けてしまいそうだというのが一番近い表現だと思う。

 内容的には解説にもあるとおりだ。
『小説を書く根拠、目的、方法について、様々な例を挙げながら、生き生きした口調でわかりやすく語りかける・・・中条昌平』

 小説やエッセイを書いている人、書きたい人への提言という形をとっているが、実は辻邦生自身の人生論(ある意味では遺言)なのである。
少なくともあと10年も前にこの本を読んでいたら、私もまともな文章が書けるようになっていたのではないかと、もう少しで錯覚しそうになった。

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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hinomalu VINE™ メンバー
形式:文庫
小説を書くことについて、また文学について話し言葉で平易に説かれております。
辻さんは長い間、「小説を書く」と言うことにどんな意味があるのか
常に自らに問い続けてきたそうです。
言語について、物語について、哲学や文学作品を交えながら、
わかりやすく説明してくれています。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
小説を書くことというテーマにしたがって講演した、作家の辻邦生の遺言とも言えるものである。「小説の魅力」「小説における言葉」「小説とは何か」という三部からなり、いかにも辻邦生らしい語り口で小説について論じている。特に作品に生命力を与える言葉において、それがいかにイマジネーションと結びついているかが大事で、より上位の次元に向かって発展しようという意欲や理念が、小説をよりよいものにすると強調して、ロマンを書く上で彼一流の秘伝を披露しているし、教養小説や本格ロマンはいき続けていると強調している。興味深いのは夏目漱石の文学論について触れ、漱石の「F+f」という命題の素晴らしさを評価し、そこに良い小説を書く秘訣を見出しているのは、流石だと思わずにはいられなかった。下らない私小説や娯楽小説が氾濫している時代にあって、ロマンの伝統を伝えている良書である。
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