本書は2001年〜2003年のサンデー毎日掲載文を中心に書下ろし「消え行く残像」が加えられています。主なテーマは2つ。戦争と地下茎で結ばれているであろう死刑批判。この国の三位一体(コイズミ政権、肝心な事に無批判なマスコミ、愚かな民衆)のファシズム批判。
私は著者が述べる通り、米国の戦争経済へ巻き込まれ得る政策を次々と起案・可決したコイズミ政権と無批判に無意味な(しかし視聴率の取れる)ニュースの乱発に終始したマスコミは、この先自衛隊が米軍の代用戦争に従事した時、日本の歴史に取り返しのつかない汚点を残すでしょう。
著者が糞バエと指弾するこの国の資本に踊るマスコミの行動は、政治評論家森田実氏が郵政民営化以降糾弾している通り確かに腐っている一方、佐藤優氏の指摘のように資本の論理に従えば当然の帰結でもあり、自分を省みた時、年間数百億円規模の資金をマスメディアに注ぐ組織に属する私は無傷に批判できる立場にないと気づきました。
郵政民営化当事、英会話のディベートで無知な私はソニーの出井伸之氏の言葉を借り、既存の構造を壊すコイズミさんに賛成だ。それにより今後新しい改善の道が拓けると、郵政民営化への米外資の思惑を語り反対した聡明な女性に愚かにも反論しました。
結局、無知な大衆の一人で有事法案制定も無関心だった自分こそ、第一に恥ずべきではと自省しました。一介のサラリーマンの私に何が出来るのか正直わかりません。ただ、副島隆彦氏も指摘するように日本を戦争に向かう社会に絶対にしてはならないと本書を読み強く感じました。
10代、20代の多くの若い世代に読んで頂き、死刑・戦争・平和を考えるきっかけとしてもらいたいと強く念じます。