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最も参考になったカスタマーレビュー
12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
自由人としての人民の思想,
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レビュー対象商品: 言葉と戦車を見すえて (ちくま学芸文庫) (文庫)
欧米文学や日本の古典文学にも通じる。つねに広い視野に立ち、世界的な観点から論評する文明批評家加藤周一の知の集積。
「プラハの春」を弾圧するためにソ連軍戦車がチェコの首都に侵入した1968年の事件についての鮮やかな論評「言葉と戦車」を本書の表題とする。 「言葉と戦車」…国家権力と言論の自由をめぐる思想。主権者である人民のものであるはずの歴史認識と歴史教育を説く。 「教科書検閲の病理」では、状況を少しずつ「なしくずし」する過程、「いい代え」の手法で歴史的事実を「ごまかし」ていく病巣を指摘する。 「再説九条」「また9条」は「知識人の任務」につながる。「人民の中に己を投じ、人民と共に再び立ち上がるより他に、あり得るであらうか」という問題提起。 加藤思想の根のところは、この「人民」という地盤にある。国家的「国民」ではなく、より自由なる人間的「人民」意識が根底を支えている、それが加藤思想の死後も朽ちない、強靱な思索のバックボーンであり続けている。
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「平和を考える人」と「9条を食い物にしてる人」の壁,
By まめたぬき (都内某所) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 言葉と戦車を見すえて (ちくま学芸文庫) (文庫)
日本文学史序説〈上〉 (ちくま学芸文庫)を今、合間合間に読んでて、加藤周一に興味を持ったので、こっちも並行して読み始めたら、なぜかこっちが先に読み終わったので、先にレビュー書きます。
加藤周一の文章って、ちょっと読みにくいところがあって、ちょっと難解なところはあるんですが、やはり考え方はすごいなあ…って思うんです。 比較的短めの文章のうち、いわゆる平和とか人権とかそういうものに絡むものをまとめたものです。彼の思想の変遷とでもいうのでしょうか、悩み苦しみの流れが分かるようで面白いです。 加藤周一もそうだし、ほかの戦後直後から活躍してる思想家・文化人とかはみんなそうなんですが、憲法9条…平和主義を結構シビアに見てるんですね。 これはおそらく、彼らは戦前の人権…特に精神的自由が抑圧されてきた時代を知っているから、どうしてもこういう人権を重視したがる傾向があるんだと思います。そして9条が思想良心やら表現の自由やらを侵すようなことになったときに、自分はどうすればいいんだ?というジレンマを常に抱えてるんです。 そういうジレンマとぶつかって、悩みぬいているのが、文章を通して見えてくるんです。 実はこういうジレンマにぶつかるような文章って、今の9条護憲論者にはまず見られない文章なんですよね。彼らは9条大事だけで動きますからね。だから9条と相容れない思想とかを排除しようと必死になるわけで。9条絶対だからジレンマなんて発生しないんですよ。 そして解説がまさしくそういうどうしようもない9条論なんですよね…しかも加藤周一が「9条の会」に関わった関係で、そればかり褒めちぎってるような感じだし。 というわけで、解説があまりにも邪魔なので★1つ減らしました。 まあ解説を破ってヤギに食わせるとか燃やしてしまうとかちり紙にするとかすればいいのかも知らんけど、これで本が壊れたらもったいないし。 でも、解説除いたらやっぱり平和論としては優れたテキストだし、9条護憲改憲どっちに考えようがまずこの本は読んでおいて欲しいなあ…って思うんですよね。 護憲派の人は9条を持つことのジレンマを感じて欲しいし、改憲派の人はこういう護憲論を乗り越えて9条をどのように変えていけばいいのかをちゃんと考えて欲しいし。 9条とか平和とかそういうのを考えるきっかけにするには一番いい本なんじゃないかな、と思います。
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
何故「言葉と戦車」のままで復刊しないのか,
By M=Serge (埼玉県三郷市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 言葉と戦車を見すえて (ちくま学芸文庫) (文庫)
ぱらっと拝見して、いわゆる反戦ものが多く収録されているのが分かる。岩波では現代文庫で「現代ヨーロッパの精神」が復刊された。時代が当時から今まで下っていても、当時のヨーロッパ文学の最先端を周一節で評論しており、当時を知る上でとても興味深い論文集と思われる。翻って、この書籍は名著「言葉と戦車」を題名だけ引用した、単なる反戦論文集に仕立てている。加藤周一の理論的な立場は確かにそうかもしれないが、せっかく当時の息遣いを知りたいわれわれ若い世代に、当時のままの論文集で発行しなかったことは加藤に対しても申し訳ないことであるし、われわれに対しても大いなる損失である。論文の選者の思想的意図のままに掲載論文が決定され、それで「言葉と戦車」という題名だけ引用し、出版する出版社の態度は非常に残念である。加藤周一のファンで、なおかつ単に反戦だけをお題目する論者とは異なり冷静に時代を判断したい者にとって一つの大きな損失である。そういう意見もあることを知っていただきたい。
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