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ちゃんちゃらおかしい。
言海の深さを知らないのである。
本書は小型版の復刻。
それゆえ文字の小ささ擦れはいたしかたないだろう。
解説が勉強になる。
読んでオリジナルが欲しくなった。
神田の古書店で中形を見つけた。
いや、探し当てた。
昭和5年発行、551版と奥付にある。
店主によれば昭和30年まで発行されたそうだ。
その数、1000版。
大形を千版すべて蒐集しているコレクターがいるそうだ。
だから価格が大形だけ別格なのだ。
この辞書には日本語の何というか本質のようなものを感じる。
江戸語から日本語に変わった節目のようなものを感じるのだ。
実用を求めるなら電子辞書の広辞苑でいいだろう。
この文庫から言海が見直され大形が復刻されないものだろうか。
文字の大きさはやはり大形が見やすくていい。
ちくま学芸文庫はニッチな企画を通してくる。
いい文庫だ。
編者 大槻文彦は、父に儒学者、祖父に蘭学者をもち、本人は、江戸の開成所では英学を、故郷の藩校で蘭学と数学を修めている。国学者でも、ましてや国語学者などでもない。
明治の新政府は最初10人ほどのチームで国語辞典を作らせたが、途中で(確か「え」のあたりで)チームは喧嘩分かれしてしまい、辞書編纂は中絶した。では一人にまかせるのがよさそうだと、大槻に白羽の矢が立った。最初、大槻はこれまでの日本の辞書に、足りない言葉や洋辞書から翻訳して加えればできあがるだろうと高をくくっていた。もちろんそうはいかなかった。大槻は17年間格闘して、ようやくこの書をまとめた。
さまざまな語彙に大槻の格闘の跡はみられる。たとえば有名な項目に、「デモクラシー」がある。
「〔英語、Democracy.民主主義、又ハ民主主義ナドト訳ス〕
下流ノ人民ヲ本トシテ、制度ヲ立テ、政治ヲ行ウベシト云ウコト。古エノ所謂、下剋上ト云ウモノカ」
デモクラシーは、いわゆる「下克上」なのである。しかもそう断じず、「~いうものか?」と今も我々に問いかけている。
1. 現代では失われつつある、美しい言葉を再発見できる。
2. 戦後の国字改革で破壊される前の「正字」「正かな」がわかる。(例:『義捐金』など。『捐』とは本来“捨てる”意。『義捐』は“義のために私財などを投げ打つ”ことだから、音だけを合わせた現在の『義援』では意味が通らない)
3. 編者が勝手にこしらえた「例文」ではなく、出典を示した、正しい意味での「用例」がある。
辞典とは本来、このような特徴を備えたものであるべきだ。必ずしも完璧とは言われないが、少なくとも『言海』にはそれがある。
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