この本は,大学や高校の教師や数学愛好家,微分・積分誕生までの数学史に興味のある人などにだけ面白いという評価もあります。しかし私は,工学や数値計算を専門にする人にこそお勧めしたいです。理由は,コーシーによって体系化される前の数値計算主義(つまりオイラー)の時代の解析学を学ぶことができるからです。べき級数展開や連分数展開など数値計算では重要な手法でも通常の数学の授業では教えてもらうことがないようなことを学ぶことができます。
高校の授業の三角比は30度や45度のような特殊な角度だけしか扱わず,天下り的に連続関数にすることに不満をもった人にはお勧めです。パスカルの三角形を利用してn倍角の公式を一般化してべき級数展開するのは圧巻です。双曲線とX軸で囲まれる面積が対数に関係することなども驚きです。
この本が難しいと感じた方は「基礎数学のI II III」(共立出版)を読破してから読むといいでしょう。