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解体新書「捕鯨論争」
 
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解体新書「捕鯨論争」 [単行本(ソフトカバー)]

石井 敦 編
5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,240 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

「真実が靴を履く間に、嘘は地球を半周する」
 これはマーク・トウェインによる箴言である。そして、捕鯨問題ほど、この箴言が当てはまるものはない。捕鯨問題に関する報道や書籍、インターネット上の情報はほとんどすべてと言っていいほど、「捕鯨推進VS反捕鯨」という対立図式で描かれている。そのどちらの立場にも与せずに真実を知ろうとすると、大きな壁が立ちはだかる。だからこそ、批判作業を通してタテマエを崩し、ホンネを探ることによってのみ、捕鯨論争の真実に迫ることができるのである。
 それを実践したのが本書である。本書は反捕鯨・捕鯨推進、そのどちらにも与しない中立的な立場をとり、日本の捕鯨問題にかかわっている主要な組織すべてを検証した。検証の内容も、鯨類科学から、反捕鯨運動、新聞報道、国際政治、日本の捕鯨外交に至るまで多岐にわたっており、捕鯨問題の総合知をめざした検証を展開していることが本書の特徴となっている。
 タテマエをあばき、ホンネに迫るという意味では、本書のスタンスは市民オンブズマンの活動と共通点が非常に多い。両者ともに批判的検証を通じてタテマエを崩し、ホンネ=実態に即して事象を腑分けする作業を行っていると言える。こうした検証型の研究を「オンブズマン型研究」と名づけたいと思う。
 本書では、反捕鯨国を含めた諸外国に対する批判は行っていない。そうした批判のためには大規模な国際的調査研究チームを組織しなければならず、紙幅にも限りがあるからである。しかし、結果として反捕鯨国を批判していないという事実によって、本書が「反捕鯨本」というレッテルを貼られる可能性は否定できない。それでも私は、この本を手にとって下さったみなさんが、本書を貫いている検証の姿勢を理解し、安易なレッテル貼りをすることなく、個々に問題を判断していただけるものと確信している。(いしい・あつし)

出版社からのコメント

捕鯨推進VS反捕鯨」の対立図式では論争の真実には迫れない。中立的・批判的検証を通して編まれた“捕鯨問題の総合知”!

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 344ページ
  • 出版社: 新評論 (2011/5/13)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4794808704
  • ISBN-13: 978-4794808707
  • 発売日: 2011/5/13
  • 商品パッケージの寸法: 18.6 x 13 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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カスタマーレビュー

最も参考になったカスタマーレビュー
19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 捕鯨問題の原点を確認できます。 2011/10/29
投稿者 SlapShot
形式:単行本(ソフトカバー)
そもそも捕鯨の何が問題なのか?
これがニュースを見た時の素直な疑問ですが、
本書はその原点をある程度明確にしてくれるのでおすすめです。

読んだ後に思ったことは、捕鯨論争は、そもそも鯨が減っているのかすら
科学的には立証できないので、政治力や外交力が介在する
余地が多い分野なのだなということです。

この科学的アプローチの手法が確立できないと、この論争はいつまでも
終わりそうにありません。

ただし、5章の「グリーンピースの実相」で佐久間氏が語る
商業捕鯨を再開すれば、日本の捕鯨業界は補助金の類がなくなり、
利益も見込めないから自然に衰退するという説は、逆説的で非常に新鮮でした。

編著の石井氏は、反捕鯨学者というレッテルを本書でも貼られるかもしれないと
冒頭で危惧していましたが、まぁしっかり貼られるでしょう。
やっぱり、執筆陣をみると反捕鯨の立場の人が多すぎです。捕鯨推進の人々の
主張もしっかり紹介しないと公平さに欠けるという気がしました。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
投稿者 Gori トップ100レビュアー VINE メンバー
形式:単行本(ソフトカバー)
シー・シェパードのやっていることは明らかな犯罪である。
グリーン・ピースのやっていることも日本の国内法に照らせば,
時に歴とした犯罪である。

では調査捕鯨はどうなのか。犯罪でないことは明らかである。
では調査捕鯨の目的はなんなのか。
鯨の生息数や生態の調査であるが、もうひとつの側面は
「日本人の伝統文化である鯨漁の技術と鯨食文化を絶やさない」為である。
端的に言えば鯨肉を獲るためである。
ところがその調査捕鯨で取った鯨肉が売れずにだぶついているのだそうだ。
改めて考えてみると、鯨漁はまだしも、鯨食が日本全土に広がる伝統の食文化かどうかは
自信がない。

では伝統の食文化といえるほど、日本人はみんな鯨を食べたがっているのか。
「鯨肉など見たこともない食べたこともない」
という世代も増えている。一方で給食で鯨の竜田揚げを食った世代がいる。
この世代間での鯨のイメージは違うだろう。
戦後の牛豚肉不足の時代に少年少女時代を送った世代と、
戦前のまだビフテキが大御馳走だった戦前世代とでも
鯨食に関する思いは違うだろう。

日本は南極海という公海上で世界で唯一調査捕鯨という名の捕鯨を行
... 続きを読む ›
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
投稿者 西山達弘 トップ1000レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)
日本が戦後捕鯨国としての地位を築き上げたものの、IWCを通じていかに包囲されて、アメリカを中心とするモラトリアムという事実上の捕鯨禁止という状況に追い込まれ、そして調査捕鯨という道を選択していったのかがよくわかる本に仕上がっている。

加えて、どうしてクジラは日本の文化と呼ばれるようになったのか、なぜいまだに調査捕鯨と称して大量のミンククジラを捕獲しているのかという背景まで深く掘り下げている。

すなわち、補助金と鯨肉の売上によって賄っているに過ぎない調査捕鯨は、すでに商業的な価値は喪失し、水産庁の遠洋課捕鯨班を中心とする捕鯨サークルである共同船舶と鯨研が存続することのみにその価値はあるに過ぎないと喝破している。

以上の論点を踏まえて、本書の結論は逆説的にモラトリアム解禁を述べている。
そうすれば、自由に捕獲量を決められる調査捕鯨とは異なり、捕獲枠に上限がはめられるのである。

さらには、この国の世論づくりの構図までも明らかにする。
それが、ナショナリズムと結びついた文化と既得権益とは無縁の科学であり、政府の公式見解をそのまま掲載する記者クラブである。

あわせて、捕鯨か反捕鯨かという二項対立の構図は、原発への賛否の構図とよく似た不幸な構図ではないかと感じた。
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