完全コンプリートまで40時間弱と言ったところでしょうか。
いやはや睡眠時間がなくなりました。
絶妙のシナリオ構成と丁寧な伏線の張り方は素晴らしいの一言。
論理のピースがはまっていくさまは実に爽快ですし、
「まさかこう来るとは」と唸らされること請け合いの心憎い演出は物語を飽きさせません。
システム、世界観設定、そして主人公の持つとある特異体質は密接にリンクしています。
「主人公の主観」と「物語を読み解くプレイヤーの主観」の定常的な一致は、これらが揃って初めて成立します。
プレイヤーだけが、主人公と同じ視点に立って、その苦悩や孤独を最初から最後まで共有できるのです。
「序盤あれほど苛立しいの極みだった主人公が、終盤こんなに格好良くみえるなんて」
いつのまにか感情移入をしているのです。脚本家の目論見にまんまとはまっています。
設定とシステムの高度な融合は、シナリオの展開とあいまって非常に効果的で、深い没入感を生むのです。
4、5年前のネット界隈、マンガやアニメの名・迷台詞、役者ネタ、秋葉原の地理、陰謀論、ジョン・タイター、タイムトラベル、物理学、哲学、認識論、脳科学といった各種のネタが満載で非常に面白いです。その手のものに造詣が深い方ならばもうたまらないでしょう。
この「じっぱひとからげ」な、いい意味で節操のないネタの絨毯爆撃も特色のひとつです。
あまりにもマニアックなネタはなかったと思いますが、ひと通りの解説が付されていますので安心です。
最後に主人公役の宮野氏の怪演についても述べねばなりますまい。
序盤の厨二っぷり、中盤の苦悩、後半の絶望、ラストの感極まった心。
主人公の素の部分が前面に出ていく過程を演じわけています。
息遣いすら感じられる生々しいものです。
また、メイン2人の軽妙なやりとりはドラマTRICKの山田上田コンビを彷彿とさせるもので懐かしくも感じました。
芝居としてのテンポや間の取り方がより洗練されたアニメの方も見逃せないですね。
丁寧な脚本、刺激的な演出、深い没入感、ネタの絨毯爆撃、そして宮野氏の怪演。
名作の評に偽りなし。