物語を楽しむ上で独自の世界観の理解が必要で、テキスト量も膨大なため、敷居は高めですが、世界観自体は図まで使って十分理解できる程度に説明されています。
何より、クリエイターが注ぎ込んだ精力が、価格に見合って余りあると感じられる稀有な一本であることは間違いありません。
隠された謎や各キャラクターの背景・心情が、3つの物語を進めるごとに、徐々に明らかになっていくよう構成されたシナリオは秀逸で、
強い意志を持って生きるセイバーと凛の両ヒロイン、各々の美学や信条を貫く男性キャラ達も魅力的です。
PS追加シナリオは、士郎とセイバーの再会を描くもの。
非常に短いですが、美しくも切ないセイバーエンドの後、他の2ルートのクリアという長い時間を経て辿りつくとなかなか感動的で、本編を損なうことなく幸せな結末を補っています。
コンシューマー化によるシナリオ変更の影響は、セイバー、凛ルートに関しては特に感じませんでしたが、桜ルートでは、彼女が受けた心の傷と歪みについての説得力が薄れており、少し残念な感じがしました。
古くは「魔界転生」、新しくは「ベルセルク」など、伝奇物にはある程度の「エログロ」はつきものですし、それらは地上波でも一般書店でも目にすることができる訳ですが、ゲームでの表現はまだ難しいのでしょうね。