表題作は初版が2001年頃?その後何度か様々な形式で再版されているようです。
どこか夢の中のような淡い光 景の中、孤独な高校生の少女と少年の間のつかの間の幸福と、悲劇的な結末が叙情豊かに描かれていきます。時を超越した心の通い合いと、切ない別れ・・・。そして大切なものを失いながらも、次第に成長して「大人」になっていく少女の物語です。結末では・・・思わず微笑みが浮かびます。
二 作目の「傷」は、小学校の「特別学級」に在籍する男の子二人のお話。複雑な家庭事情ゆえに荒れ、あるいは閉じこもる二人だったが、ひたすら無口な少年には ある肉体的な「異能」があった。「秘密」を共有した二人は、その「力」を有効に使おうとするが、心優しい少年は次第に傷付いていき・・・ついに!
う〜ん・・・中々・・・感動的な結末です。
以上二作は形としては「SF」と言える内容なのですが、登場人物の繊細な心模様の描写が中心で、大変切ないお話になっていて私好みですね。
最後の「ウソカノ」は・・・「彼女がいる」と嘘をつく二人の高校生のお話。何故こんなつまらないのが最後なんだ!!??と思いましたが・・・読了してみると・・・コレも中々良いぞ!(笑)「嘘から出た誠」のお話なのですが、辛い学校生活の中で、ひたすら懸命に努力を重ねた結果、思いがけない可能性の未来が開けていく・・・という、意外な、そして力強い結末です。
なるほど・・・小学生向けなんだから「単なる切ないお話も良いけれど、読み終わって元気の出る本にしたい!」という事でしょうね。確かに・・・ちょっぴり元気が出ましたよ!