メタローグ
こんにち「モラル」の問題を考える際に絶対に欠かすことのできないのが、レヴィナスの倫理学である。ユダヤ教を根底に置くその論理的地平は、限りなく広く深い。難解極まりない内容にもかかわらず、本邦でも市井の研究者が増えているのは、著者の思索の真摯さに打たれ、共鳴するゆえであろう。本書に収められた13篇の論文はいずれも「神」をめぐって書かれている。人間精神の最も内奥にある観念の古層、無限なる神は、他者への愛と責任への自覚において発動する。自己の内にある、自己よりも更に深い彼方から、代償を求めない愛と責任性が、到来する。心に耳を澄ますための恰好の思索の書。(小林浩)
『ことし読む本いち押しガイド1999』 Copyright メタローグ. All rights reserved.
内容(「MARC」データベースより)
いかなる現実性からも乖離している神だが、「神」という言葉はなにごとかを意味しうる。「神」という語を意味のある語として悟性的に了解することの可能性、ないしは悟性的に了解するという事実そのものについて考察する。