内容紹介
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
出版社 新曜社, 2003/10/14
日本各地の村から、グリーン・ツーリズムという新しい風が吹いています 。農業体験、農園民宿、エコツアーなど、自然のなかの遊びが静かなブームとなっています。グリーン・ツーリズムは、ハコモノの失敗に学び、村の暮らしや行事にお客を招いてもてなすソフトの観光、手作りの魅力が人気を呼んでいるのです。本書では成功例のフィールドワークから踏み込んで、「生活環境主義」「構造的弱者」等のキーワードから「都市が押しつける論理・地方の植民地化」を排した「環境を生かす観光の理論化」を試みています。シリーズ環境社会学(全6冊)の最終巻。
◆目 次◆
序章 観光という選択(古川彰・松田素二)
1 都市―農村関係の変容(山村哲史)…京都府大江町の棚田交流
2 農村社会の再編とグリーン・ツーリズムの可能性(鹿取悦子)…京都府美山町の観光農園・江和ランドの取り組みか ら
3 新しい過疎の風景(大成浩市)…富山県利賀村にみる地域おこしのダイナミズムとネットワーク
4 人がつなぐ地域と自然環境(野崎賢也)…高知県四万十川
5 リゾート 期における村の選択(井戸聡)…琵琶湖湖西の事例から
6 「山里」を演じ売る(川田牧人 )…愛知県足助町における観光商品
7 開発の功罪(秋津元輝・中田英樹)
終章 観光と環境の社会理論(松田素二・古川彰)
演習 過疎からのブレークスルー(寺口瑞生)
講義 日本のむらの見方、聞き斡?、語り方(米山俊直)
コラム 矢作川の鮎漁(柴村龍太)/藤枝だるま(小川都)/ヘリテージを生かす観光(塩路有子)/ゴリラのエコ・ツーリズ ム(山極寿一)
◆本文一部◆
グリーン・ツーリズムやエコツーリズムは、単なる大衆観光路線の一変種にすぎず、それらが提案した環境保護と実践・自然と人にやさしいライフスタイルへの転換はまやかしだったのだろうか。オールタナティブ・ツーリズムを、地域再生の一つの手段として選択している多くの共同体や市町村の努力は、的外れなものだったのだろうか。
本論が言いたいことは、けっしてそういいうことではない。現在、過疎化と高齢化、そ れに第一次産業の危機的状況に苦吟している 全国各地の小さな共同体は、苦難のなかの一筋 の光明をグリーン・ツーリズムの可能性にみていることに間違いない。本論が強調したいのは、こうした小さな共同体の努力を、環境保護、人間重視、自然と共生といった都市でつくられたスマートな地の体系のなかに回収させてはならないという点である。
近代批判という 思潮は、たしかに興味深いものではある。しかしこの思潮を基準にして、小さな共同体の営みを外部から一方的に定位し、評価・解釈・意味づけを行うべきではない。それらを、思想史上の思考と概念の対象とするのではなく、現実に小さな共同体が実践し認識するレベルに立って、グリーン・ツーリズムや観光現象を地域生活の目線で考察する必要があるのである。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1951年生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士。現在関西学院大学社会学部教授
松田 素二
1955年生まれ。ナイロビ大学大学院修士課程修了。文学博士。現在京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)