本書のポイントは主として前半部(第三章まで)に提示されていると思います。
それを一言に纏めれば「コミュニケーション能力を大人が高めることにより、子供がキレるのを防ぐことは十分可能だと思われるので、その上達法をお伝えしましょう。」ということになりましょうか。
実際、第三章に記されているコミュニケーションのチェックポイントやテクニックは、手短なハウツー物としても利用価値が高い印象を受けました。
しかし、後半は今ひとつです。
特に、第4章は子供のキレやすさを、やや専門的な見地から検討しようというもので、「キレる依存」など興味深い指摘がなされている反面、人格障害に関する記述や「性格」の七因子モデルについての記述については、疑問を感じてしまう箇所も散見されました。
また、最終部の第5、6章は、子供のキレやすさの大きな原因として、親自身の囚われや社会のあり方にも目を向けてみようということだと思いますが、内容的に大きな誤りはないとしても凡庸な印象は拭えませんでした。
ということで、率直な読後感は★3つですが、子供との関係に悩む親御さんには有用性は一定高いと思われることも考慮して、★4つとさせて頂きました。