著者の香山さんには過去の著書やテレビでの印象に少々偏見を持っていましたが、
今回の作品は、適度な距離感を持って、表層的な実例引用はありますが「親子」
の「事例」を並列に記しており、彼女の個人的な意見(分析や結論でなくて、
あくまで「意見」レベルですが)も読者に媚びずにそれなりに書いていますので
、読者側がフラットに「意見」を述べやすい構成になっています。
その分、嫌味もなく、結構重たいテーマなのに無味のスープを飲んでいるような
感覚で読めました。
自分自身を、「子」の立場と「親」の立場で実感できる方(層)に適しているか
も知れません。
「親子」という関係が、もうそれだけで「病」なのだというアプローチ(決して
「結論」であってはならないと思いますので敢えて)は、思い悩んでいる人には
憑き物が落ちる思いがされるかも知れませんし、一層、刹那的になって、「おい
おい精神科医がそんなこと言っちゃって」という気持ちにもなるかも知れない、
そんな読後感でした。
でも、個人的には距離感があって、「読み物」の範疇でしたけど。