「親が悪い人で間違っているような世界は、子どもにとって不安定で不安で、耐えられないのです。親が正しくて自分が間違っているなら、自分が間違っているところを改めれば、正しい親に受け容れてもらえる希望をもつことができます」 そして、その「正しい」親の評価が自己評価に結びつく。
「子どもは親から殴られれば、殴っているのは、自分が憎くて殴っているんじゃなくて、父親なりに自分のことを心配して、自分のためを思って殴ってくれているんだというふうに自己欺瞞する」 殴られるたびに自己欺瞞が固定化し、大人になってからも自分を殴る相手を、自分を愛してくれているからだと思い込んでしまう。
自己評価の低い人間は、自らを貶めると、「一種の解放感、安定感、安心感があるんですね。ホッとしたような。そのために、わざわざ自分を貶めるようなことをするとか、人が軽んじるようにもっていくとかするのがマゾヒストです」 現代の売春婦の深層心理にもこのような解放感があると説く。
親を理想化したり、一方的に非難する両極端に陥らないように、生きづらさから脱却するにはどうしたらよいか、本書には、いくつものヒントが散りばめられている。